2019 Fiscal Year Research-status Report
海底湧水の超高解像度マッピングを可能とするハイブリッド観測システムの開発
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19K22339
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
杉本 亮 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (00533316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 誠 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (50434981)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 海底湧水 / UAV / 熱画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を用いた海水面温度調査に関して、本年度は主として、「UAVの導入及び初期セットアップと操作技術の習得」、「最適な調査方法の検討とデータ処理方法の確立」、「フィールドにおける試行調査(小浜湾の試験調査)」について研究を進めた。UAVおよびサーモカメラはそれぞれ、DJI製 Matrice 200 v2、Zenmuse XT2を導入した。陸上にて飛行高度が温度データの解像度に及ぼす影響について検証し、高度100m程度で飛行させた場合でも、10数センチ程度の距離の差があれば一桁程度の温度の差であれば検出することが可能であることが明らかとなった。また、これまでは、海水面温度の測定においては、海面上に目印となる場所がほとんどないことから、画像からどこの場所を撮影しているかを特定するのが非常に困難であったが、撮影した熱画像のEXIF情報に記録されている撮影した場所の緯度経度、撮影高度、カメラの回転角、カメラの諸元データ等を用いて計算することで、熱画像に記録されたピクセル毎の温度データがどの位置(地理的位置)のデータかを求めることを可能にした。また、この作業を自動化することで、多くの画像を処理できるシステムを開発した。これにより、撮影された数百枚の熱画像の温度データを地理情報として扱えることが容易になり、UAVにより得られた海水面温度情報を、GISを用いた空間解析に供することができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
UAVの事前調査に関しては順調に進んでいる。しかしながら、ハイブリッド観測システムの一つとして利用予定であった曳航型電気探査機器の故障が長引いており、事前調査が十分に進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、淡水性地下水の湧出が顕著な山形県の釜磯海岸を対象に、UAVによる海面温度評価とそれに基づく地下水湧出量評価を実施する。AVから得られる海底湧水の空間分布や湧出量の結果を検証するために、電気探査機器およびラドン測定などを組み合わせたアプローチも同時に適用する。
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Causes of Carryover |
消耗品経費が予定よりも少額であったため残額が生じた。次年度の予算と合わせて消耗品に充てる予定である。
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