2020 Fiscal Year Research-status Report
海底湧水の超高解像度マッピングを可能とするハイブリッド観測システムの開発
Project/Area Number |
19K22339
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
杉本 亮 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (00533316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 誠 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (50434981)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 海底湧水 / UAV / 熱画像 / 沿岸域 / トレーサー / ドローン / 電気探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に、「フィールドにおける試行調査」について研究を進めた。福井県の小浜湾では、曳航型電気探査機器を用いた海底下の比抵抗調査を行い、それらの結果と、昨年度開発したUAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)を用いた海水面温度の高解像度分布構造の解析手法で得られた海水面温度分布データ、および、いくつかのポイントにおける海底面温度観測データをGISを用いて重ね合わせることで、海底下から海水面までの温度構造と比抵抗構造の分布について把握できる手法(海底湧水の空間的超高解像度マッピング手法)を確立した。山形県の釜磯海岸では、UAVを用いて砂浜海岸陸部と海部の表面温度分布の高解像度熱画像撮影を行い、砂浜部で湧出する淡水が海部へ流入するプロセスと、それらが及ぼす温度的影響の範囲について解析するプロトコルを作成した。また、その手法を用いて砂浜部で湧出する湧水が海部へ与える熱的影響を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
UAVと曳航型電気探査機器を用いたハイブリッド観測システムについては、実用に供することができる手法を確立できた。しかしながら、曳航型電気探査機器の故障が長引いたことで、昨年度夏の山形県の釜磯海岸に曳航型電気探査機器を導入することができなかった。これにより、現在のところ、フィールドにおける試行調査が小浜湾の調査のみになっており、ハイブリッド観測システムの汎用性に関して検討を行うことはできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
曳航型電気探査機器による調査がまだ実施できていない山形県の釜磯海岸で曳航型電気探査機器を行い、ハイブリッド観測システムの汎用性に関して検討を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、十分な調査を遂行することができなかったことに加え、曳航型電気探査機器の故障が修復せずに、調査を1年間延長する必要性が生じたため。残額は、釜磯海岸での調査(主に旅費)に使用する。
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