2020 Fiscal Year Research-status Report
農業生態系を構築する植物個体と群落を橋渡しする分子機構の解明による環境調和型農業
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19K22342
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 正夫 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90240522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南澤 究 東北大学, 生命科学研究科, 特任教授 (70167667)
牧野 知之 東北大学, 農学研究科, 教授 (60354106)
武田 和哉 大谷大学, 文学部, 教授 (90643081)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | バイオマス / 栽植密度効果 / 植物ー根圏相互作用 / 遺伝子発現 / 微量金属イオン動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の労働集約型農業では、最終的な収穫を行う数よりも多めに播種して間引きを行う。この「間引き」という作業は篤農家の経験・伝承・勘に基づいており、科学的根拠に乏しかった。本研究では、この「間引き」に対して、科学的な根拠を与えることを目的とし、「疎植と密植」の植物への効果の実態を分子レベルで解明するために、植物の生長に影響を与える、根から分泌される物質、根系微生物との相互作用、土壌中の微量金属イオン動態の調査を行う。さらに、農書からも関連事項を調査し、領域融合的に実態解明を目指す。今年度は異なる栽培時期での実験においても、栽培密度による「お友達効果」が見出された。また、前年度サンプリングした植物からのRNAを用いて、RNAseq解析を行うことを計画した。しかしながら、コロナ禍を受けて解析が遅延し、解析までは実施できたが、in silico解析までは実施が十分ではなかった。同様に、土壌金属の測定も遅延した。農書のなどの古文書の解析は進展しており、栽培時期などが見えてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
栽培にはミズナを用いて、農学部の圃場を実験区として、圃場栽培実験を行い、前年度同様に栽培密度による「お友達効果」を検出した。最適な時期に栽培した圃場から土壌、植物体を採取し、土壌微生物、植物体での発現遺伝子、土壌金属を測定を試みた。土壌微生物では栽植密度に応答して微生物群落の変化を見出したが、植物の遺伝子発現、土壌金属の調査がコロナ禍の影響を受けて、三者の連関を見出すには至っていない。江戸時代の古文書の解析については、順調に進展しており、江戸時代後期から明治期のミズナ栽培の様子を垣間見ることができた。以上の点から、コロナ禍ではあるが、概ね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの蔓延が第4波になっており、作付けが困難であるが、前年度までに調整している発現遺伝子情報の解析、土壌金属の解析を行い、土壌微生物叢との連関解析を行うことを計画している。土壌金属の解析系を動かすことにめどが立ったことから、1年の延長により計画通りの成果を得ることが想定できる。
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Causes of Carryover |
世界的な規模の新型コロナウイルスの蔓延により、植物遺伝子解析、土壌金属の動態解析が遅延した。このことを次年度に実施するために、それらの解析等に関わる経費を次年度使用とした。
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Remarks |
今年度は、コロナ禍ではあるが、リモートでの関連アウトリーチ活動を40件(1,918人)に対して行い、いずれのところでも盛況であり、次年度以降の継続を要請された。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Two aquaporins, SIP1;1 and PIP1;2, mediate water transport for pollen hydration in the Arabidpsis pistil.2021
Author(s)
Windari, E. A., Ando, M., Mizoguchi, Y., Shimada, H., Ohira, K., Kagaya, Y., Higashiyama, T., Takayama, S., Watanabe, M., and Suwabe, K.
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Journal Title
Plant Biotechnol.
Volume: 38
Pages: 77-87
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Characterization of self-incompatible Brassica napus lines lacking SP11 expression.2020
Author(s)
Okamoto, T., Okamoto, M., Hikichi, E., Ogawa, M., Takada, Y., Suzuki, G., Takayama, S., and Watanabe, M.
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Journal Title
Genes Genet. Syst.
Volume: 95
Pages: 111-118
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Double-locking mechanism of self-compatibility in Arabidopsis thaliana: the synergistic effect of transcriptional depression and disruption of coding region in the male specificity gene.2020
Author(s)
Suwabe, K., Nagasaka, K., Windari, E. A., Hoshino, C., Ota, T., Takada, M., Kitazumi, A., Masuko-Suzuki, H., Kagaya, Y., Yano, K., Tsuchimatsu, T., Shimizu, K. K., Takayama, S., Suzuki, G., and Watanabe, M.
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Journal Title
Front. Plant Sci.
Volume: 11
Pages: 576140
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Mechanism of self/nonself- discrimination in Brassica self-incompatibility.2020
Author(s)
Murase, K., Moriwaki, Y., Mori, T., Xiao, L., Masako, C., Takada, Y., Maesaki, R., Mishima, M., Fujii, S., Hirano, Y., Kawabe, Z., Nagata, K., Terada, T., Suzuki, G., Watanabe, M., Shimizu, K., Hakoshima, T., and Takayama, S.
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Journal Title
Nature Commun.
Volume: 11
Pages: 4916
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] 屋久島ハマダイコンの自然集団におけるS対立遺伝子の空間的遺伝構造の解析2021
Author(s)
福島和紀, 鹿股とほこ, 金あおい, 増子(鈴木)潤美, 伊藤加奈, 尾形定義, 高田美信, 小松原幸弘, 中村幹, 渡邉卓実, 小泉沙織, 讃岐斉, Jong-In Park, 新倉聡, 諏訪部圭太, 藤井壮太, 村瀬浩司, 高山誠司, 鈴木剛, 渡辺正夫
Organizer
日本育種学会 第139回講演会
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[Presentation] 屋久島のハマダイコン野生集団における自家不和合性雌側因子SRKアリルの遺伝的多様性.2020
Author(s)
福島和紀, 鹿股とほこ, 金あおい, 増子(鈴木)潤美, 高田美信, 尾形定義, 小松原幸弘, 中村幹, 渡邉卓実, 小泉沙織, 讃岐斉, Jong-In Park, 新倉聡, 諏訪部圭太, 鈴木剛, 渡辺正夫
Organizer
第43回日本分子生物学会年会
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