Building the measures to strengthen farm businesses: discussion from bankruptcy cases

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K22350
• Research Institution: Tokyo University of Agriculture
• Principal Investigator: 内山 智裕 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80378322)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森 佳子 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (40346375)
• Project Period (FY): 2019-06-28 – 2022-03-31
• Keywords: 農業経営 / 倒産 / 廃業 / 信用調査

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、我が国における農業経営が大規模化・企業化していく過程で増加すると考えられる倒産・破たん・廃業（以後：「倒産」）事例を網羅的に把握し、倒産に至る過程，倒産の理由、倒産後の対応を整理・類型化することで、倒産リスクの低減や倒産後の速やかな経営資源継承の方策を提言し、農業経営の経営体質強化に資する研究成果を生み出すことにある。当該年度は以下の取り組みを実施した。
１．　帝国データバンクから入手した「倒産ファイル」、「削除ファイル」、「信用調査報告書」に該当する農業法人計2902件に対し、「農業法人の経営困難と経営対応に関するアンケート調査」を実施した。アンケート調査は、2段階（①アンケート協力依頼のはがき発送、②応答者に対しアンケート調査票を発送）に分けて実施した。
２．　大規模化・企業化した農業経営の中で、実際に倒産した経営（倒産経営）、存続している経営（存続経営）を比較することを通じ、資金調達という観点から、これらの経営がどのような特質を有しているか、をテキストマイニングの手法を使って明らかにした。
３．　倒産事例の中で、電話など直接訪問することなく聞き取り可能な経営の探索を行なった。うち１件とは電話での情報収集を行なったのちに新聞記事などの資料提供を受け、面談の実施に向けた調整を行なった。
４． 農業外の産業も含めた、企業の倒産や、倒産に付随して発生しがちな企業不祥事に関する研究について、文献サーベイおよび整理を行なった。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

・コロナ禍の影響もあり、予定していたヒアリング調査ができず、研究会の回数も減少した。現時点では、アンケート調査結果の回収及びデータ入力が終了しているにとどまっている。
・コロナウィルスの終息を待ち、速やかに調査研究活動を再開できるように準備を進めるとともに、直接訪問することなく調査を行う可能性も模索しているが、調査内容がセンシティブであるため、見込みは必ずしも明るくない。

Strategy for Future Research Activity

・昨年度実施したアンケート調査結果に基づき、倒産経営の実態を整理し、論文として取りまとめる計画である。
・アンケート調査協力経営に対し、ヒアリング調査を試みる。
・本研究の公表方法について、そのセンシティブ性に鑑み、検討を進める。

Causes of Carryover

・コロナウィルス感染拡大により、調査活動が遅延した。当研究は、倒産事例という極めてセンシティブな内容を取り扱うため、オンラインでの調査などが難しい。
・次年度は、コロナウィルス終息後に速やかに調査活動を再開できるように準備を進めるとともに、オンラインによる調査研究を模索することで、適正な研究費の執行を行う。