2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of monitoring methods for the residual status of radioactive materials in the forest floor in Fukushima
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19K22351
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
足達 太郎 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (50385506)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | セシウム137 / コバネイナゴ / 土壌 / 食草 / 移行係数 / 東京電力福島第一原子力発電所事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島県浜通りの牧草地などでコバネイナゴ・ジョロウグモ・フトミミズを採集した。昨年度にひきつづき、COVID-19の感染拡大の影響により予定していた調査規模を縮小せざるをえなかったものの、植食性昆虫の餌となる植物やその生育土壌とともに必要最小限のサンプルを確保することができた。 各サンプルについて。ゲルマニウム半導体検出器をもちいてセシウム137(Cs-137)の濃度を測定した。その結果、土壌のサンプルのなかにCs-137濃度がほかとくらべて突出して高いものがみつかった。このことはサンプルを採集した区域内に高濃度のCs-137が局在している箇所があることを示唆している。 土壌から植物へのCs-137の移行係数は0.0061であり、これは1年前の調査結果にもとづく0.0069とほぼ一致していた。このことは、東京電力福島第一原子力発電所事故から10年が経過し、土壌-植物間のCs-137の移行が定常状態にちかづいていることをしめしている。 いっぽう、植物からコバネイナゴへの移行係数は0.45であり、1年前の0.31よりも増加していた。このことは上記で示唆された高濃度のCs-137が局在する箇所に生育する植物を偶然摂食したイナゴ個体を測定したことにより、移行係数の値がおしあげられた可能性がある。 なお、以上の結果は2022年3月8日にリモート開催された第23回「環境放射能」研究会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度にひきつづき、COVID-19の感染拡大の影響により、予定していた調査規模を縮小せざるをえなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
福島県浜通りの中山間地におけるサンプリングを継続し、節足動物の放射性セシウム濃度を調査するとともに、生息地周辺の空間放射線量をドローンなどをもちいて精密に測定することにより、放射性セシウムの分布および残存量をあきらかにする。 今年度の調査により、高濃度の放射性セシウムが局在する箇所があることが示唆された。このようなホットスポットの存在をあきらかにし、可視化することができれば、適切な管理のもとで牧草地や里山の管理や利用を早期に再開することが可能となるだろう。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大の影響により、当初予定していた調査の一部を割愛したため。未使用分については、次年度の調査のための物品や旅費、試料分析など費用にもちいる予定である。
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