2019 Fiscal Year Research-status Report
比較動物学的見地からの筋発生学・筋再生学再構築への挑戦
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19K22359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 啓太郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70272440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 渉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40708161)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | MyoD / ラット / GFP / 筋発生 / 筋再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋分化マスター因子MyoDは、発生段階で筋細胞系譜の決定を担う因子として世界で初めて発見された。筋細胞の発生に関わる因子としてMyoDと同様の構造をもつMyf5、Myogenin、MRF4が相次いで同定され(MyoDファミリー因子)、MyoDとMyf5が筋細胞への決定を、Myogeninがその後の分化を、そしてMRF4が最終的な筋線維の成熟を担うという一連のカスケードが明らかにされた。特にMyoDやMyf5を単独で欠損したマウスは、ほぼ正常に筋発生や成長がおこることから、これら2つの因子は互いの機能を代償的に補完していると考えられてきた。一方、申請者は、MyoD欠損ラットを作製したところ、マウスとは全く異なり、全てが離乳前に死亡することを見出した。これはヒトでMyoDが欠損すると新生児が出生直後に不動症により死亡することと一致している。 そこで本研究では、これまでマウスで得られてきた筋発生におけるマスター因子の機能や重要性は必ずしも哺乳類全般に普遍的なものではないという仮説のもと、MyoDをはじめとする筋分化マスター因子の欠損ラット及びこれら因子の発現を蛍光タンパク質で可視化したラットの作成を行うことで、比較動物学的見地から筋発生学や筋再生学の再構築を試みることを目的とした。 その結果、本年度は 1.MyoD欠損ラットが出生後24時間以内に全て死亡しており、その原因が呼吸不全によるものであることを明らかにした。 2.MyoDの終止コドン付近にGFPを導入したノックインラットの作成を行い、現在までに2系統でGFP遺伝子の導入が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画はほぼ順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在Myf5遺伝子にmCherryを導入したノックインラットの作成に着手しており、それが完成し次第、MyoD-GFPラットとの交配を行い、MyoD-GFPとMyf5-mCherryを同一個体でモニター可能なラットを作成する予定である。
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Causes of Carryover |
MyoD-GFPラットに続く、Myf5-mCherryラットの作出に時間を要したため、当該研究計画については次年度に移行した。そのため、次年度使用額が発生した。
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