2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22432
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 聡子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (20450421)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 形質転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、革新的な植物への遺伝子導入法を開発することである。次世代シーケンサーによるシーケンス技術の革新によって多様な植物種のゲノム決定が比較的容易になり、ゲノム編集技術の出現により、多様な植物種、作物種の遺伝子改変が理論上可能となった。しかし、細胞壁を持つ植物細胞への遺伝子導入は容易ではない。遺伝子導入にはアグロバクテリウムを介した方法やパーティクルガンを用いた方法などが知られているが、いずれも遺伝子を導入した細胞やカルスからの植物個体の再分化が必要で、再生の条件を検討するにあたって膨大な時間が必要である。そのため、多様な植物種に応用できる遺伝子導入技術の開発が望まれる。本研究では、花器官および花粉に着目した非モデル植物における新しい遺伝子導入法の確立を目的とする。 今年度は、ハマウツボ科寄生植物コシオガマを用いて、花器官にアグロバクテリウム菌液を垂らすことによるフローラルドロップ法を用いた形質転換系を検討したが、蛍光マーカーの蛍光が観察されず、GUS染色の偽陽性の疑いが持たれた。そこで、同様にアグロバクテリウム法を用いて、雌蕊器官への遺伝子導入を試みた。花芽形成初期のコシオガマ雌蕊を電子顕微鏡下で観察すると、形質転換最適時のシロイヌナズナ雌蕊で観察されているような中央部のくぼみが見られた。この時期の雌蕊においては、アグロバクテリウム溶液を滴下しても雌しべが枯死する現象は見られず、種子を形成できることが明らかとなった。受粉後の胚珠をGUS染色したが染色は見られなかった。次にマグネトフェクションを用いて、花粉への遺伝子導入を試みた。蛍光ラベルしたDNAが花粉の中へ侵入することを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アグロバクテリウムのフラワードロップによる遺伝子導入は難しいことがわかったため、他の方法を模索している。MagnetofectionnによるDNA導入を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
マグネトフェクションを用いた花粉への遺伝子導入を引き続き検討する。また、ウィルスベクターを用いたゲノム編集について、検討を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は緊急事態宣言などもあり研究が予想よりも停滞した。次年度に植物育成チャンバーの購入や、物理的方法を使った遺伝子導入のためにボンバードメントの消耗品などを予定している。
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Research Products
(17 results)