2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22451
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80222173)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | 寄生 / 共生 / アカントアメーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
以前の予備スクリーニングの際に得られた候補微生物約150について、PCRによる同定を完了した。その9割弱は細菌であり、ほとんどがプロテオバクテリア門細菌と一部バクテロイデス門細菌で占められていた。この結果は土壌・淡水環境中の細菌叢を構成する細菌として、これまでの知見に矛盾しない。例外として、2種の放線菌門細菌を見出した。これらはSSU rRNAを標的とする解析において既知の細菌との相同性が95%を下回っており、新種の細菌と考えられた。この一方、CPRクレードに属するような、既知の細菌ドメインから逸脱する微生物はこれまでのところ見いだせていない。新種の放線菌門細菌については現在、次世代シーケンスによるゲノム解析を行っている。
残り約20は電子顕微鏡による構造解析などから巨大ウイルスと考えられた。手持ちのPCRプライマーセット、および文献探索などにより新たなプライマーセットの導入・利用などを含めて詳細な検討を行ったにもかかわらず、5種はPCR断片を得ることができず、PCR解析では巨大ウイルスの系統に分類できなかった。これらについては次世代シーケンス解析を行い、ドラフトゲノムを決定した。巨大核質DNAウイルスに保存されている遺伝子群を利用し、最尤法で系統解析を行ったところ、全てがミミウイルス科に属する未知の単系統群に属していることが明らかとなった。今後、新規の巨大ウイルスとして記載を目指して、解析を行っていきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による影響はあるものの、新規巨大ウイルス単系統群を見出すなど、研究は順調に進捗していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、新たなサンプルのスクリーニングも並行して進める予定である。
|
Causes of Carryover |
次世代シーケンシングに関して、共同研究者によるショートリードシーケンシング(Illumina)を先行させることとしたこと、コロナ禍により、スクリーニングのための新たなサンプルの入手・解析が遅れたため。
|