2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22451
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80222173)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 寄生 / 共生 / アカントアメーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により単離した候補微生物約150のうち巨大ウイルスを含む巨大核質DNAウイルス(NCLDV)に分類される20種については、ミミウイルス科新規クレードと、新規パンドラウイルス1種について完全ゲノムの決定を目指して研究を進めているが、技術的困難により進捗が遅れていた。このうちDNA精製における問題については、植物細胞からのゲノムDNA単利法で用いられる方法が改変・利用することにより目処をつけることができた。パンドラウイルスからのDNA単離については、ウイルスを溶解するステップに問題があったが、尿素・SDS・プロテアーゼKを主剤とする溶解バッファーにより溶解した後、通常のカラムベースの精製法により高品質な高分子ゲノムDNAを分離することができた。一方で、ミミウイルス科新規クレードウイルスからのゲノムDNA単離は、高塩濃度あるいはアルコール存在下で沈殿を引き起こす夾雑物の存在により、上述の方法では収率が大きく損なわれる問題が残っていたが、高塩濃度下でCTABを作用させることにより高品質な高分子ゲノムDNAを分離するに成功した。またこのように単離したゲノムDNAを利用してONT MinIONによるロングリードを得ることができた。低品質のゲノムDNAを利用して得ていたIlluminaショートリードと合わせてゲノム解析を行ったところ、ミミウイルス科新規クレードウイルスのショートリードの品質に問題があり、再シーケンスする必要があることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
巨大ウイルスからの高品質ゲノムDNA単離の方法論は確立できたが、一部のサンプルについてショートリードの再シーケンスの必要があることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
技術的な問題については解決できたと考えており、今後は当初計画どおり研究を進めていけると考える。
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Causes of Carryover |
技術的困難を抱えていた巨大ウイルスからの高品質ゲノムDNA単離の方法論は確立できたが、研究を進めたところ一部のサンプルについてデータの再取得の必要が生じたため、次年度においてデータを取得し研究を進める。
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