2019 Fiscal Year Research-status Report
組織中の細胞内分子ダイナミクスの新規トレーシング方法の開発
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19K22467
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三國 貴康 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90786477)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / 分子イメージング / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は必要に応じて分子を新規に生合成することで、外的要因や内部需要に迅速かつ正確に対応する。脳では、タンパク質の新規合成は、神経回路の形成やリモデリングなど様々な過程に不可欠であることが知られている。ゆえに、新規合成タンパク質を特異的に観察しその機能を操作する方法は、様々な脳内過程における細胞内プロセスを分子レベルで理解するために必須である。しかしながら、これまで特定のタンパク質の新規合成をスループット良くイメージングする方法は存在しなかった。 研究代表者はこれまでに、生体脳内ゲノム編集と分子イメージング技術を用いて、脳組織内の1細胞で内在性タンパク質を迅速かつ高精度に可視化する方法(SLENDR法およびvSLENDR法、Mikuni et al., Cell 2016; Nishiyama* and Mikuni* et al., Neuron 2017)を開発した。本研究では、これらの研究代表者が開発した方法をベースにして、内在性の新規合成タンパク質を選択的かつハイスループットに可視化し、新規合成タンパク質の機能を時間的・空間的に正確に理解するための技術の確立を目指した。 2019年度は、ある時間枠に新規合成された特定のタンパク質をイメージングするために、研究代表者が開発したSLENDR法とvSLENDR法と、化学ラベリングによる方法を組み合わせた。これにより、マウスの脳組織において、SLENDR法あるいはvSLENDR法により標識した特定の内在性タンパク質に対し、わずか2時間の間に新規に生合成されたタンパク質を特異的にイメージングすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に予定していた「脳組織内での特定の新規合成タンパク質をイメージングする方法の開発」は、順調に成し遂げられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に開発した「脳組織内での特定の新規合成タンパク質をイメージングする方法」を、数多くの様々なタンパク質に適用できるように方法を整備する。さらに、この方法を応用して、脳組織内での特定の新規合成タンパク質を操作する方法の開発も目指す。
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Research Products
(5 results)