2019 Fiscal Year Research-status Report
改変ヘルペスウイルスLAT発現系による恒久的治療遺伝子供給システムの構築
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19K22505
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
宮川 世志幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (90415604)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ヘルペスウイルス / CRISPRa / インシュレーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らが開発した無毒化ヘルペスウイルス(HSV)ベクターシステムを改良し、恒久的に治療遺伝子発現が継続できる新規治療用担体の開発に挑む。今年度は、新規遺伝子発現系の構築及びその評価に必要な以下の項目を実施した:①デュアルレポーター遺伝子搭載無毒化HSVベクターの構築・機能解析、②恒久的遺伝子発現に必要なCRISPR/dCas9発現系の構築。①について、本研究で構築する新規発現系を評価するためのレポーター遺伝子発現カセットの構築を行った。遺伝子発現を定量的かつ視覚的にモニターするために、蛍光タンパク質AcGFPと発光タンパク質Luciferaseを2Aペプチドで連結したデュアルレポーター遺伝子を構築し、この上流にCAGプロモーターを連結した。作製したカセットを無毒化HSVベクターに挿入するためにシャトルベクターにクローニングした。これを用いてレポーター遺伝子発現カセットを無毒化HSVベクターのLAT領域に導入し、組換え無毒化HSVベクターを作製した。②について、本研究ではゲノム編集技術CRISPR-Cas9の改変型であり、任意の遺伝子の発現誘導する手法であるCRISPRaを用いる。そこで、CRISPRaに必要なヌクレアーゼ活性を不活化したCas9 (dCas9)に転写活性因子を融合させた改変Cas9を構築し、これにレポーター遺伝子であるGFPを2Aペプチドで連結した遺伝子を作成した。また本発現系よりPol IIプロモーター依存的に改変Cas9のガイド役であるsgRNAを発現させるために、同発現系下流にtRNA発現機構を利用したsgRNA発現系を組み入れた。また同時に無毒化HSVベクターLAT領域に標的とし、dCas9融合遺伝子をリクルートするsgRNAを複数デザインした。以上、全てのコンポーネントを含むAll in oneシャトルベクターの設計を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はHSV特異的インシュレーターLAT領域を標的としたCRISPRa遺伝子発現系の構築を計画としていた。本研究で開発を目指す新規発現系の機能性評価に必要なデュアルレポーター遺伝子搭載無毒化HSVベクターの構築・生産・大量精製・機能性確認はほぼ予定通り終了した。また本提案の根幹であるCRISPR/ dCas9発現系については昨今の状況等の影響もあり、遺伝子作製等にやや遅れは生じてはいるものの本研究に必要な遺伝子発現系の設計は全て終了している。以上より、状況に合わせた計画変更は余儀なくされたものの、全体の研究計画自体は概ね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として、構築が終了したCRISPR/dCas9発現系より、in vitroの発現解析を行い、その機能性評価を進める。本試験により、いずれのsgRNAが効果的に恒久的遺伝子発現を誘導するために適しているか決定する。また同時に、同発現系を無毒化HSVベクターに組み込んだ組換えHSVベクターの開発も実施し、実際に無毒化HSVベクターより恒久的遺伝子発現を誘導可能か確認する。
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Causes of Carryover |
(理由)当初計画していた遺伝子発現ベクター作製について、上記の通りやや遅れが生じたため、それらの発現・機能解析等に必要な経費に余剰を生じた。 (使用計画)遺伝子発現ベクター作製完了時にin vitro及びin vivoのレポーター解析に利用する。また定量PCR及び免疫染色等を用いた遺伝子発現定量解析の諸費用に利用する。
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[Presentation] Optimization of vector design of non-toxic herpes simplex virus-based vector for efficient in vivo transduction2019
Author(s)
Yoshitaka Miyagawa, Motoyo Maruyama, Seiji Kuroda, Atsushi Sakai, Yuriko Sato, Ryotaro Hashizume, Hiromi Kinoh, Motoko Yamamoto, Justus B. Cohen, Joseph C. Glorioso, Takashi Okada.
Organizer
The 43rd Annual Meeting of the Molecular Biology Society of Japan (MBSJ2020)
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