2020 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜動態の高分解能計測によるエンドサイトーシス超初期過程の分子基盤の解明
Project/Area Number |
19K22506
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 北海道大学, 医学研究院, 教授 (30333503)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞膜 / 高速分子間力顕微鏡 / 薄層遮光照明法 / correlative imaging |
Outline of Annual Research Achievements |
頂端側細胞膜の物理的・光学的同時スキャン法の確立 高速原子間力顕微鏡(atomic force microscope, AFM)と薄層斜光照明法(highly inclined and laminated optical sheet, HILO)顕微鏡のハイブリッド顕微鏡のセットアップを継続して行った。HILO照明系は全反射顕微鏡の原理を応用したもので、AFM観察面である頂端側細胞膜の特異的励起によって高いシグナルノイズ比の画像取得を実現することを目指している。昨年度は、頂端側細胞膜特異的励起の精度と再現性を向上するために、入射光の制御を電気的かつコンピュータ制御で自動化した。また、AFMを設置している既存の光学顕微鏡の限られたスペースに光学系を収めるために、光路長の大幅な短縮を行った。本年度はこの設計に基づいたHILO光学系をAFMにインストールし、性能確認を実施、完了した。 蛍光偏光による膜形態観察法の確立 細胞膜形態の光学的計測技術として開発した、蛍光タンパク質の異方性を利用したバイオセンサーを用いて、HILOとAFMを用いた細胞膜の物理的・光学的同時スキャンすなわち細胞膜動態のcorrelative imagingを行った。その結果、増殖因子依存性に生じるエンドサイトーシスはそのピットが楕円化することが明らかになった。この楕円化する分子メカニズムについては、物理モデル化と阻害薬を用いた実験から、関与するキナーゼの同定に至っている。また、インフルエンザウイルスが細胞内に取り込まれる際の膜動態は、ウイルス粒子のサイズと形状に依存して変化することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)