2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22514
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 彰宏 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40251441)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞極性 / Rab8 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮細胞はapical(頂上)面とbasolateral(側底)面といった決まった方向性(極性)を持つ。上皮細胞以外にも極性を持つ細胞は存在するが、それらの細胞の極性の分子機構と上皮細胞の極性の分子機構は共通であろうか?そのような「細胞極性の分子機構の細胞種間における普遍性」は何となく想定されてはきたが、根拠が乏しかった。我々はRab8やRab8結合タンパク質EHBP1L1、EHBP1L1結合タンパク質CD2APの各組織での量、細胞 局在、ノックアウト(KO)マウスの解析から、小腸上皮細胞の極性機構は赤芽球、T細胞、腎足細胞の極性形成機構と共通性があるが、腎尿細管上皮細胞の極性機構とは異なる可能性を提示している。我々はここでその共通機構を「Rab8依存性極性機構」と呼び、これが、小腸の上皮細胞、赤芽球、T細胞、腎の足細胞など、多くの種類の細胞における極性の形成や維持に普遍的に働くことを実証するために次の1-3の解析を行った。 1. Rab8, EHBP1L1, CD2APの発現が小腸、赤芽球、T細胞、足細胞で共に高いかどうか?2. Rab8, EHBP1L1, CD2APが細胞 で同じ細胞小器官に存在するか?更に apical面に局在するタンパク質の細胞 輸送を可視化し、Rab8, EHBP1L1,CD2APが局在する部位を通過するか?3. Rab8, EHBP1L1, CD2APのKOマウスが共通する表現型を示すか? この中で今年度は主に1,2の解析を行い、Rab8,EHBP1L1が赤芽球で似た点状の局在を示し、それはリソソームとは異なる小胞であることを光顕、免疫電顕で示した。また、Rab8の類縁分子であるRab10の発現が赤芽球で高いことを発見したが、共にウサギ抗体のため、EHBP1抗体をラットで作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はRab8やその関連分子による細胞極性制御機構を「Rab8依存性極性機構」と呼び、これが、小腸の上皮細胞、赤芽球、T細胞、腎の足細胞など、多くの種類の細胞における極性の形成や維持に普遍的に働くことを実証するため1-3の解析を行った。1. Rab8, EHBP1L1, CD2APの発現が小腸、赤芽球、T細胞、足細胞で共に高いかどうか?2. Rab8, EHBP1L1, CD2APが細胞 で同じ細胞小器官に存在するか?更に apical面に局在するタンパク質の細胞輸送を可視化し、Rab8, EHBP1L1,CD2APが局在する部位を通過するか?3. Rab8, EHBP1L1, CD2APのKOマウスが共通する表 現型を示すか? この中で今年度は主に1,2の解析を行い、Rab8,EHBP1L1が赤芽球で似た点状の局在を示し、それはリソソームとは異なる小胞であることを光顕、免疫電顕で示した。また、Rab8の類縁分子であるRab10の発現が赤芽球で高いことを発見したが、共にウサギ抗体のため、EHBP1抗体をラットで作製中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後他の組織、細胞種でのRab8やその近縁のRabであるRab10が共に細胞極性に関与するか否かについて、WBなどで解析を進める。また、解析が進んでいる赤芽球については、Rab8, 10がどのように細胞極性に関与するか、その分子機構の解明を行う。具体的にはEHBP1L1欠損マウスの赤血球膜と野生型マウスの赤血球膜の成分の違いを解析し、何が原因で脱核効率が低下しているかを解明する。いくつかの蛋白質がこれらの間で量の差があることが判明したため、WBなどによってその分子機構の解明につなげたい。 また小腸の極性形成の分子機構についても、赤芽球などと共通性があるか否かを、結合タンパクをたどることで解明したい。具体的には、Rab8の結合タンパク質のEHBP1L1の結合タンパク質のCD2APにapical面の細胞膜の蛋白質が結合するか、または他の極性関連タンパク質が結合するかを酵母2ハイブリッド法、GST-pulldown法によって解析を進めたい。 既にいくつかのタンパク質は同定されており、その関与を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナによる研究室への出入りが制限されて必要な研究が遅れたため、その使用経費を次年度使用額とした。次年度に、今年度やり残した研究をカバーすべくペースを上げて行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] SNAP23 deficiency causes severe brain dysplasia through the loss of radial glial cell polarity2021
Author(s)
M Kunii, Y Noguchi, S Yoshimura, S Kanda, T Iwano, Erda Avriyanti, Nur Atik, T Sato, K Sato, M Ogawa, A Harada
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Journal Title
J Cell Biol
Volume: 220
Pages: e201910080
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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