2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K22531
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 泰賢 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (50522124)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 体腔 / マクロファージ / リンパ球 / 中皮細胞 / レチノイン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの解析により我々が同定した中皮細胞が体腔への白血球移動を制御する知見を得た。今年度はその分子メカニズムを明らかにするため、大網組織のシングルセルRNA-seq解析を行った結果、大網組織を構成する支持細胞が5つのクラスターに分類されることを見出し、そのうちの1つのクラスターが本研究で着目する中皮細胞に相当することをトランスクリプトーム解析により見出した。実際、ジフテリア毒素投与依存的に中皮細胞を除去したマウス大網ではそのクラスターが選択的に除去されることから、このクラスターが我々の見出した中皮細胞種を含む細胞集団であることを結論した。一方、ジフテリア毒素投与依存的に中皮細胞種を除去すると血管内皮細胞におけるいくつかのケモカイン産生が顕著に低下することを今年度新たに見出した。それらケモカインの機能を阻害すると白血球のリクルートメントが抑制されることから、中皮細胞と血管内皮細胞の機能的な相互作用が体腔への白血球リクルートメントを制御する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大網組織支持細胞のシングルセルRNA-seq解析により各細胞集団のcharacterizationが順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
腹腔内に感染や障害が起こると、好中球をはじめとする白血球の即時的なリクルートメントが誘導される。定常状態のみならず、感染や組織損傷によって誘導される免疫細胞のリクルートメントにおいて、本年度の解析で明らかにしたメカニズムが関与するか検討を行う。
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Causes of Carryover |
抗体、培養試薬などの消耗品に、他の研究課題と共通で使用するものがあり、それらの一部を他の研究資金で購入した。
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