2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒトノロウイルスの感染モデルマウスの樹立を目指した宿主側タンパク質受容体の同定
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19K22532
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 慎太郎 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授(常勤) (80447333)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | ヒトノロウイルス / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず、HuNoVの感染により細胞変性効果を認めるウイルスロットの検索を行った。しかし、高濃度のウイルスを長時間感染させても、培養プレートから細胞が脱落するような細胞変性効果を認めるものはなかった。糞便懸濁液によっては、細胞毒性の強いものも存在するため、低、中分子を除去するビースを用いて、また、超遠心法などを用いて初回のウイルス濃度を上げた検討を行う必要がある。 一方で、同じヒトiPS細胞株から分化誘導させた異なるロットの腸管上皮細胞(一方はHuNoVの増殖を認め、一方は認めない)について、吸収上皮細胞への分化課程における遺伝子発現差異を解析し、HuNoVの宿主側タンパク質受容体の候補ともなり得る細胞膜上タンパク質や、遺伝子複製に関わる遺伝子の同定に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HuNoVの感染、もしくは増殖に関与すると考えられる遺伝子の候補が見つかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、HuNoV感染、増殖による激しい細胞変性効果を示す実験系の構築を行う。また、HuNoVの感染、増殖能を保ったまま増殖可能な腸管上皮細胞株樹立を目指し、SV40 Large T抗原の導入、CRISPR/Cas9システムを用いたAPC遺伝子の欠損細胞の作出を行う。さらに、今年度同定したHuNoVの感染、増殖に関わる遺伝子の絞り込みを行う。
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Causes of Carryover |
SARS-CoV-2の影響により、3月末に参加予定であった国際学会への参加を取りやめたため。また、ウイルス粒子を含む大量の培養上清を繰り返し調整する必要が出てきたことから、それらに関わる試薬の購入に充てる。
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Research Products
(9 results)