2019 Fiscal Year Research-status Report
Role of viral miRNA on tumorigenesis
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19K22560
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 宏 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30303621)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | EBウイルス / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
Epstein-Barr virus (EBV) は、ほとんどの成人に感染している普遍的なウイルスであるが、様々なリンパ腫/白血病の原因ともなる。ありふれたEBVがなぜ一部の個体にのみリンパ腫を引き起こすのかについては謎である。近年、子宮頸がん、成人T細胞白血病で、腫瘍組織に高率に欠損ウイルスが存在することが報告され、腫瘍化との関りが注目を集めている。我々はEBV関連リンパ腫患者に対して、次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析を行い、高率にEBV遺伝子の一部が欠失すること、そしてこの欠失はウイルスがコードするmiRNAの領域に集中していることを発見した。本研究では、ウイルスmiRNAを欠損した組換えEBVを作成し、ヒト化マウスを用いたin vivoモデルでmiRNAの役割を解明することを目的としている。先行研究にて、EBV関連リンパ腫において最も高頻度に欠失していたウイルスmiRNA (miR-BART6-5pおよびmiR-BART6-3p)を含む領域を欠く組換えEBVの作成を試みた。まず、これまで当研究室で確立している大腸菌人工染色体を用いた方法で組換えEBV作成を試みた。組換えウイルスの細胞内導入には成功したものの、複数の細胞株を調べたところ感染性のあるウイルス粒子産生に至らなかった。次いで、標的遺伝子領域を変え、組換えEBV作成を試みたがやはりウイルス粒子産生は成功しなかった。現在、CRISPR/Cas9によるゲノム編集を用い、細胞株に潜伏しているEBVを変異させるシステムで組換えEBVの作成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組換えウイルス作成に成功していないため。理由として標的としている領域に問題がある可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、手法を変えて組換えウイルス作成を試みている。もし、作成が困難な場合は、標的とする遺伝子を変えて、組換えウイルス作成を行うことを考えている。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス流行のため、実験補助者が出勤できなくなくなり、人件費に誤差が生じた。次年度この人件費を消費する予定。
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