2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外小胞の不均質性を可視化するデジタルMSイメージング
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19K22575
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
畠山 慶一 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (20564157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 義昌 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30711155) [Withdrawn]
吉野 知子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30409750)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 単一細胞解析 / 分泌タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームをはじめとした細胞外小胞が、がん領域で重要視されるようになり、その小胞に含まれる核酸やタンパク質の解析が盛んに行われている。しかしながら、がん細胞の不均質性が議論されているにも関わらず、細胞外小胞内容物の不均質性については未知の部分が多い。これは、単一細胞の分泌物を捕捉・可視化できる手法が確立していないことが大きい。単一細胞由来のエクソソームを含む細胞外小胞を解析できれば、細胞外小胞の不均質性についての新たな知見が得られるばかりでなく、細胞外小胞を利用した新規腫瘍マーカー探索に貢献できると考えられる。そこで本研究では、単一がん細胞由来の細胞外小胞に含まれる分子群の可視化に向けたプラットフォームの構築を目指す。 当初は、1細胞から分泌タンパク質を捉えるために必要な基板構築を実施した。これは共同研究先の農工大学と実施し、安定的な分子固定化方法を確立した。しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴った研究の停滞と、分担研究者の異動とそれに伴う分社の変更により、研究が遅延した。その中で、バイオインフォマティクスを応用した解析手法も取り入れた探索アプローチを実施し、 単一がん細胞由来の分子の同定を図った。 最終年度である昨年度は、分泌タンパク質とRNA-seqを実施し、同一細胞株レベルで細胞周期とは無関係に発現パターンが異なる分泌タンパク質を分泌する細胞集団を同定した。しかし、1細胞レベルでの同定が非常に困難であることがわかった。これは、単一細胞由来ではないものの、非常に重要な知見であると我々は考えている。この知見を現在実施進行中の研究に生かしていきたい。
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