2020 Fiscal Year Research-status Report
Roles of exosomes in neuronal circuit reconstruction
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19K22578
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
華山 力成 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (40403191)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | エクソソーム / グリア細胞 / サイトカイン / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、グリア細胞由来エクソソームの役割として、特にグリオーマ由来エクソソームに着目し、その機能を解析した。グリオーマは脳腫瘍の中で最も悪性度が高く,集学的治療を施しても平均生存期間が約2年と非常に予後が悪い腫瘍である。そのため,その進展機構の早急な解明と新規治療法の開発が望まれている。まず、グリオーマをマウス脳内へと移植した脳腫瘍モデルマウスにおいて、TSG101遺伝子を欠損させてグリオーマにおけるエクソソームの産生を抑えることで、脳腫瘍サイズが縮小し、浸潤・転移が抑えられ、マウスの生存期間が延長することが判明した。次に,グリオーマから分泌されたエクソソームが、腫瘍周囲のミクログリアに取り込まれ、ミクログリア内の遺伝子発現を調整(血管新生を阻害するトロンボスポンジン(Thbs1)の遺伝子発現を低下させる)することで、血管新生を促進することを示した。さらに、その遺伝子の発現調整因子であるWT1がヒト患者由来のグリオーマ由来エクソソームに含有されており、ミクログリアによる血管新生能を制御することを明らかにした。本研究により、グリオーマの進展にエクソソームが深く関与しており、その産生を抑えることで、腫瘍の浸潤・転移を抑えることができる可能性が示された。
一方、昨年度同定した神経細胞由来エクソソーム上の分子は、CRISPR/Cas9法を用いて遺伝子欠損マウスの作製を行い、ヘテロマウスまで無事に作製が完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリア細胞由来エクソソームの機能の一旦を明らかにし、論文発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに同定したエクソソーム上の分子の遺伝子欠損マウスが作製できたので、このマウスを用いて脳神経系における機能を解明してゆく。
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Causes of Carryover |
昨年度の繰り越し分がそのまま次年度に繰り越される。マウスの維持・管理に使用する。
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Research Products
(11 results)