2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of the mothod for RNA labelling in a neuron subtype-specific manner in vivo
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19K22580
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河原 行郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80542563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 有己 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10511280)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / RNAラベリング / マウス / 中枢神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
ALSや脊髄小脳変性症などの神経変性疾患では、特定の神経細胞選択的な変性が認められるが、その理由は依然として不明であり、病態解明の障壁となっている。これには個々の神経細胞の特徴を、RNA発現プロファイルの観点から明らかにすることが重要である。研究代表者らは、特定の神経細胞に発現するRNAを高精度に回収するため、TU-tagging法とCLIP法を組み合わせたtuCLIP法と命名した新たな手法を開発し、神経細胞毎の高精度RNA発現プロファイルマップが作製可能であることを実証する目的で本研究を遂行している。研究開始後、マウス小脳プルキンエ細胞を標的細胞として設定し、手法の確立とSCA1モデルマウスを用いた経時的なRNA発現プロファイルの変化を追っている。これまでにRNAラベリングの頻度、濃度や1回当たりの投与量、投与部位(腹腔、脳室)を調節し、その後RNA-seqを行ってきた。その後、情報解析レベルでT-to-C置換の生じたRNAを抽出し、プルキンエ細胞のマーカー遺伝子の濃縮具合を目印にして試行錯誤を繰り返している。その結果、幾つかの特徴的な遺伝子において、SCA1モデルマウスで発現変動が観察されている。現在の問題点としては、シーケンスされた全リードに占めるT-to-C置換を含むRNAの割合が少なく、これを濃縮する必要性があると考えている。しかし、マウスへのラベリングの工夫だけではこれ以上の濃縮は難しいため、シーケンスと情報解析を工夫して、更に精度の高い手法を確立することを進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに小脳プルキンエ細胞を標的として、マウス個体を用いてRNAラベリングの条件検討を繰り返してきた。投与条件を変えてはRNA-seqをすることを繰り返し、ラベリング効率の性質を掴めるようになってきている。現状でもある程度手法は確立されたと言ってもよく、すでに疾患モデル動物での評価も開始していることから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の問題点としては、シーケンスされた全リードに占めるT-to-C置換を含むRNAの割合が少なく、これを濃縮する必要性があると考えている。しかし、マウスへのラベリングの工夫だけではこれ以上の濃縮は難しいため、今後はRNA-seqの手法の変更と情報解析を工夫して、更に精度の高い手法を確立することを進める予定をしている。
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