2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a MS imaging-based diagnosis for novel cancer senotherapy
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19K22586
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安井 博宣 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (10570228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲波 修 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10193559)
東川 桂 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (10756878) [Withdrawn]
孫 略 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40757704)
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞老化 / 腫瘍 / Id-1 / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
無限増殖能を有するがん細胞に対して、永続的に細胞周期を停止させる、すなわち老化させることは有効な治療戦略と考えられる。一方で、周囲の間質やがん細胞に対して、老化細胞はがん化や増殖刺激を与えるようなサイトカインや増殖因子を産生・放出するという老化関連分泌現象(SASP)を通して、再発や転移の引き金となる危険性を秘めている。従って、老化誘導をがん治療戦略にするには、事前に対象となるがんの治療感受性や、治療開始後の早期の応答予測を可能にすることが必要である。本研究では、メタボローム解析を行うことで、老化誘導治療の早期予測因子となるような代謝変化、特に細胞膜脂質や脂肪酸代謝に関する特徴的変化を明らかにする。 2019年度では、老化誘導因子として知られるId-1の発現抑制と放射線との組み合わせについて、siRNAによる遺伝的抑制およびId-1特異的阻害剤を利用して検討した。使用したがん細胞株として、ヒト肺がんA549と子宮頸がんHeLa細胞において、異なる程度の老化誘導が観察され、細胞株の種類とくにp53の発現との相関性が確認された。老化が強く誘導されたA549細胞では、siRNAによるId-1抑制と放射線との組み合わせで8割以上の細胞に老化が確認され、p21の発現上昇が確認できた。また、in vivoでの老化モデルに移行するために、Id-1阻害剤であるpimozideをin vitoroで放射線と組み合わせることで、ヒト由来がん細胞およびマウス由来がん細胞に効率的に老化誘導できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最も効率的に老化を起こさせる条件を設定することが、研究の成否に直結するため、初年度は、Id-1の遺伝的抑制もしくはId-1阻害剤pimozideを放射線と組み合わせることに重点的に取り組み、一定の成果が得られた。またin vivoでのモデルに発展させる検討も完了しており、次年度の組織学的なメタボローム解析、質量分析につなげることが可能となった。ただし当初の計画であったメタボローム解析まで実施することができず、全体としての進捗状況としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、最適化された老化条件において、老化発現に特異的に誘導されるタンパク質や代謝物の部位特異的検出を質量分析イメージングにより行う。また老化誘導に伴って起こる老化随伴分泌現象SASPの検討も行い、代謝物変化との関連性を調べる。
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Causes of Carryover |
最も効率的に老化を誘導できる条件を検討するのに時間がかかったため、当初の計画にあったメタボローム解析およびリピドーム解析に取り掛かることができなかった。ただし動物モデルに適用できる薬剤の選定とがん腫の選択が完了したため、次年度は問題なく研究を遂行できると考えられる。
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Research Products
(6 results)