2019 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍内微小環境依存的な浸潤を通じて放射線治療後のがん再発を起こす責任遺伝子の探索
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19K22595
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 浩 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80362531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森鳰 章代 京都大学, 生命科学研究科, 研究員 (20722648)
小林 稔 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (40644894)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | がん / 放射線治療 / 抵抗性 / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で我々は「悪性固形腫瘍内の低酸素・低栄養領域のがん細胞が放射線治療を優位に生き残り、酸素・栄養環境の良い血管近傍に浸潤して、がんの再発を引き起こす」という『がんの再発メカニズム』を解明し、「この浸潤を阻害することで再発を抑制できること」を報告してきた。この独自の知見に基づいて本研究で申請者は、以下の研究を展開する計画を立てた。 ★がん細胞が酸素・栄養環境の悪い領域から良い領域へと浸潤する際に必要な責任遺伝子を網羅的に探索し、同定した遺伝子が放射線治療後の再発で果たす機能を解明する。 ★同定した遺伝子の作用機序を解明し、その働きを阻害する手法の確立に繋げる。 本プロジェクトで我々は、以下の成果を得てきた。 低酸素刺激によって発現レベルが上昇する遺伝子を、DNAマイクロアレイでゲノムワイドにスクリーニングした。得られた遺伝子の中から、細胞の放射線抵抗性を誘導することが確認された遺伝子に着目し、その発現制御機構を解析した。その結果、当該遺伝子の発現がアクチノマイシン存在下では低酸素誘導されなかったことから、転写開始レベルで制御されていることを見出出した。当該遺伝子の発現が低酸素誘導性転写因子HIF-1の制御サブユニット(α)のノックダウンではキャンセルされなかった一方で、HIF-1βのノックダウンいにょってキャンセルされることを見出した。また、鉄キレート剤デフェロキサミン存在下で当該遺伝子の発現が誘導されたことから、鉄依存性オキシゲナーゼによる発現制御を受けている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究を遂行している
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Strategy for Future Research Activity |
当該新規遺伝子の低酸素依存的な発現を担う因子の同定を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、計画していた学会発表(研究成果の公表)が出来なかった。また、購入予定であった研究資材の調達に時間がかかった。
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Research Products
(15 results)