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2022 Fiscal Year Research-status Report

Jagged1遺伝子発現を制御する筋ジストロフィー治療薬の探索

Research Project

Project/Area Number 19K22604
Research InstitutionTokyo Medical University

Principal Investigator

川原 玄理  東京医科大学, 医学部, 准教授 (40743331)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 林 由起子  東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50238135)
Project Period (FY) 2019-06-28 – 2024-03-31
Keywords筋ジストロフィー / Jagged1 / ドラッグスクリーニング / ゼブラフィッシュ
Outline of Annual Research Achievements

筋疾患の治療方法は長年の研究にも関わらず、未だ十分に開発されておらず、特にDMDの患者数はその中でも多いことが知られている。重篤な症状を呈すジストロフィン完全欠損のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)のモデル犬を用いた研究報告において、遺伝子突然変異によりJagged1遺伝子の発現が亢進している系統が発見され、通常DMDモデル犬で見られる重篤な症状を呈さないことが明らかとなった。さらにDMDゼブラフィッシュモデルで特徴的に見られる異常な筋線維構造が、jagged1遺伝子の強制発現により改善することが示された。このJagged1遺伝子発現亢進がDMDを始めとする筋ジストロフィーの治療へとつながる手がかりになると考え本研究課題を構想した。
本研究課題のこれまでの研究で、ゼブラフィッシュjagged1プロモーター領域遺伝子配列を用いて、トランスジェニック(Tg)フィッシュの作製を行った。得られたjagged1-Tgゼブラフィッシュは、主に脳、脊髄においてEGFPシグナルが強く観察され、EGFPシグナルにより間接的にjagged1の発現が観察されることが確認された。このjagged1-Tgゼブラフィッシュを用いてjagged1の発現をコントロールする薬剤のスクリーニングを行った。その結果、1,280個の薬剤ライブラリーの中からゼブラフィッシュjagged1の発現を亢進する複数の薬剤を見出している。 これらの薬剤のうち、DMDゼブラフィッシュモデルで見られる異常な筋線維構造が、これらのjagged1の発現を亢進する複数の薬剤のうちの一部で、それらの投与により改善することを見出した。候補薬剤投与により改善した筋構造について、各種抗体を用いた免疫染色にて評価を行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

この研究計画において、脳、脊髄でEGFPの発現が強く観察され、筋組織においてもその発現が確認されるjagged1トランスジェニックゼブラフィッシュを開発した。さらにそれらを用いてjagged1の発現を亢進する薬剤を探索するため、薬剤スクリーニングを行ない、1,280個の薬剤ライブラリーの中から複数個の候補薬剤が得られた。薬剤スクリーニングによって得られたjagged1発現を亢進する薬剤を、DMDモデルゼブラフィッシュ、ジストロフィンタンパク質を欠損しているsapjeに投与し、それらが示す表現型である筋組織の構造異常の改善に効果があるかどうかについて各種抗体での免疫染色などの手法で解析した。その結果、得られた候補薬剤の投与群で改善効果が確認できた。現在、候補薬剤のうち薬剤候補#1の投与による筋での表現型の改善が顕著であることがわかった。コロナ禍で研究活動自体に制約があり、延長措置をいただいているが、動物モデルを作製し、薬剤スクリーニングにより候補薬剤を見出すという点で本研究課題については、現在のところやや遅れているが計画通り達成されている。

Strategy for Future Research Activity

2023年度は、jagged1トランスジェニックフィッシュを用いたjagged1の発現制御物質のスクリーニングにより得られた候補薬剤のDMDモデルフィッシュの表現型の改善効果についてさらに研究を進める。1,280個の薬剤のスクリーニングから得られたjagged1の発現を亢進する薬剤のうち、薬剤#1が最も筋組織異常の改善効果を示しているが、他の候補薬剤についてもその薬剤効果を検証し、免疫染色などの手法によりそれらの薬剤投与による異常筋構造の改善効果について解析する。薬剤#1の投与による薬剤効果の結果と合わせて、それらの薬剤投与による効果とjagged1遺伝子発現との関連を明らかにし、jagged1遺伝子発現に関連した筋ジストロフィーの治療法の開発に役立つ分子機序の新規発見をめざす。

Causes of Carryover

2022年度は、新型コロナウイルスの蔓延の影響により、一部、研究活動への影響があったことと、国際学会への参加などに支障があったことが、2023年度に延長をお願いし使用額が生じた理由である。使用計画としては、主に研究成果の発表を行い、国内外で行われる学会への参加(参加登録費、旅費等)のために使用し、さらに本プロジェクトを遂行するための実験器具、試薬、抗体の購入、抗体の作製を予定している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] シスプラチン投与による筋萎縮ゼブラフィッシュモデル2023

    • Author(s)
      伊藤玲、伴野千晴、原遼、中屋敷真未、川原玄理、林由起子
    • Organizer
      日本生理学会
  • [Presentation] ゼブラフィッシュを用いた血管弾性線維研究のための新たな実験モデル開発2023

    • Author(s)
      谷藤 章太、川原 玄理、中村 隆、飯田 早紀、林 由起子、横山 詩子
    • Organizer
      日本生理学会
  • [Presentation] 抗がん剤投与による筋萎縮ゼブラフィッシュモデル2022

    • Author(s)
      川原玄理、伊藤玲、伴野千晴、原遼、中屋敷真未、林由起子
    • Organizer
      日本筋学会
  • [Presentation] 株化筋芽細胞C2C12を用いた糖鎖修飾因子fut8が筋分化に与える影響2022

    • Author(s)
      林地のぞみ、川原玄理、顧建国、林由起子、平澤恵理
    • Organizer
      日本筋学会
  • [Presentation] ゼブラフィッシュ由来FHL1タンパク質の構造解析2022

    • Author(s)
      関根舞美, 中島基邦, 野口瑶, 森河良太, 高須昌子, 川原玄理, 林由起子
    • Organizer
      日本物理学会

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Published: 2023-12-25  

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