2023 Fiscal Year Annual Research Report
Jagged1遺伝子発現を制御する筋ジストロフィー治療薬の探索
Project/Area Number |
19K22604
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
川原 玄理 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40743331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 由起子 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50238135)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 筋ジストロフィー / Jagged1 / ドラッグスクリーニング / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
筋ジストロフィーの治療方法は長年の研究にも関わらず、未だ十分に開発されておらず、特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の患者数はその中でも多いことが知られている。重篤な症状を呈するジストロフィン完全欠損のDMDのモデルを用いた研究報告において、遺伝子突然変異によりJagged1 遺伝子の発現が亢進している系統が発見され、通常DMDモデル犬で見られる重篤な症状を呈さないことが明らかとなった。さらにDVDゼプラフィッシュモデルで特徴的に見られる異常な筋線維構造が、jagged1遺伝子の強制発現により改善することが示された。このJaggedl遺伝子発現進がDMDを始めとする筋ジストロフィーの治療へとつながる手がかりになると考え本研究課題を構想した。 本研究においてゼブラフィッシュjagged1プロモーター領域遺伝子配列をEGFP cDNAを含むベクターに組み込み、EGFPの蛍光タンパク質の発現のシグナルにより間接的にjagged1遺伝子発現のレベルを検出できるjagged1トランスジェニック(Tg)フィッシュの作製を試みた。得られたTgゼブラフィッシュは、主に脳、脊髄においてEGFPシグナルが強く観察され、EGFPシグナルにより間接的にjagged1の発現レベルを検出できることが確認された。このTgゼブラフィッシュを用いjagged1の遺伝子発現をコントロールする薬剤のスクリーニングを行った結果、ゼブラフィッシュjagged1の遺伝子発現を亢進する複数の薬剤を見出した。これらの薬剤をDMDモデルフィッシュに投与した結果、筋組織異常を呈する個体の割合を減少し、筋構造異常を改善する効果がある薬剤が見出された。筋構造が改善した個体では、ジストロフィンの発現は検出されず、筋構造異常の改善は、この候補薬剤の効果により他の遺伝子や分子機序に影響により引き起こされた可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)