2020 Fiscal Year Annual Research Report
Dissecting transcription factors using proximity labeling analyses
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19K22607
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
鳴海 覚志 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (40365317)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 近接性ラベリング / タンパク質相互作用 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年計画の2年目に相当する2020年度は、近接性ラベリングの本実験を行った。遺伝性先天性甲状腺機能低下症の責任遺伝子の1種である転写因子PAX8分子のC末端TurboID融合タンパク質を安定発現させたHeLa細胞株を作製し、近接性ラベリングを実施した。この際、野生型PAX8分子のみならず、DNA結合ドメインの変異であるQ40Pと転写活性化ドメインの欠失体であるR364*も作製した。また、コントロールとしてTurboIDに核移行シグナル(NLS)を連結したコンストラクトを作製し、PAX8-TurboIDと並行して解析した。キャプチャされたビオチン化タンパク質のLC-MS/MS解析ではそれぞれ約4,000種のタンパク質がヒットし、duplicate間での相関係数は0.95以上と安定的な解析であることが確認できた。野生型PAX8サンプルにおいて有意な近接性を認めた分子としてEP300、NCOA1などPAX8との相互作用が想定された既知分子が捉えられており、近接性ラベリングとしての有効性が確認された。この他、NCOR1/2リプレッサー複合体の構成要因、SWI/SNF複合体の構成要因などが同定され、PAX8が組織特異的転写因子として複数の経路で標的遺伝子の転写活性化を起こすことを初めて示すことができた。また、変異体のうちR364*ではこれらの複合体との近接性が低下しており、R364*により欠失するC末端配列がこれら複合体とのタンパク質相互作用を担う可能性が示唆された。一方、対照的に、Q40P変異を有するPAX8の近接性タンパク質のシグネチャは野生型とほぼ同等であり、標的DNAとの結合が完全に喪失する状況下においてもコアクティベーター分子群がリクルート可能であることが示された。
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[Journal Article] A Novel Homozygous Mutation of Thyroid Peroxidase Gene Abolishes a Disulfide Bond Leading to Congenital Hypothyroidism.2020
Author(s)
Yakou F, Suwanai H, Ishikawa T, Itou M, Shikuma J, Miwa T, Sakai H, Kanekura K, Narumi S, Suzuki R, Odawara M.
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Journal Title
Int J Endocrinol.
Volume: 2020
Pages: 9132372
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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