2021 Fiscal Year Annual Research Report
分泌経路に着目した肝線維化責任因子の同定と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
19K22612
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齋藤 康太 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60549632)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝線維化はアルコール、肥満等の生活習慣病的要因により引き起こされ、肝硬変・肝癌へと進行するが、線維化に対する根本的な治療法は確立していない。ハーボニーをはじめとしたウイルス性慢性肝炎に対する治療薬の開発により、今後非アルコール性脂肪肝炎が慢性肝炎の主因になることが予想されることから、ウイルスを標的とせず肝線維化を直接阻害する治療薬の開発がますます期待されている。 肝線維化の標的として、肝星細胞は重要である。肝星細胞は、通常はビタミンAを貯蔵しているが、炎症性サイトカインによって活性化され筋繊維芽細胞様に分化する。分化した肝星細胞はI型コラーゲンの分泌を異常亢進し、これが線維化の主な要因となっている。以前から、細胞内の分泌を司る小器官である小胞体やゴルジ体が、肝星細胞の活性化の過程で肥大化することは知られていたが、肝星細胞の分泌経路の変化に着目した研究はほとんど行なわれていなかった。 研究代表者は、これまで炎症性サイトカインによって刺激を受けた肝星細胞が、転写因子CREB3L2依存的に、小胞の被覆因子として機能するSec23A/Sec24Dを特異的に発現上昇させることを見出した。さらに、コラーゲンとは異なる未同定の肝線維化責任因子が小胞体からゴルジ体へと輸送されることで、初期の肝星細胞活性化に関与する可能性を明らかにした。 本年度において研究代表者は、HFDによる肝線維化モデルマウスを作成し、肝線維化マーカー発現の継時変化を詳細に観察することによって、ノックダウンによる発現抑制を行う際の指標を得た。
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Research Products
(7 results)