2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of cardiac reprogramming associated with aging
Project/Area Number |
19K22613
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
家田 真樹 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70296557)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 心臓再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化に伴い心臓病が増加しているが、新しい治療として心臓再生法の開発が求められている。近年iPS細胞の発見により複数の組織特異的転写因子を導入して、ある細胞を別の細胞に直接転換する細胞リプログラミング研究が注目されるようになった。我々は世界に先駆けて心筋リプログラミング研究に着手し、これまでに心筋特異的な3つの転写因子(Gata4, Mef2c, Tbx5)を導入すると、線維芽細胞が心筋細胞に直接リプログラミングすることを世界で初めて発見した(Ieda et al, Cell, 2010)。本研究では、ケミカルスクリーニングを行い、加齢に伴う心筋リプログラミング抵抗性の分子機序解明とこれを改善する化合物を同定する。これにより安全で効率的な心筋リプログラミング法を確立でき、心臓再生医療の実現が大きく前進する。本年度は各年齢のマウス線維芽細胞を用いて、上記ヒット化合物による心筋リプログラミング促進が加齢性変化に依存するか決定した。心筋誘導効率は定量性の高いFACSによるαMHC-GFP、cardiac TnT蛋白の発現や拍動心筋細胞数をカウントして決定する。これまでの実験で4化合物の中の1化合物で、加齢に伴う心筋リプログラミング抵抗性を改善する化合物を見出している。次に加齢に伴う心筋リプログラミング抵抗性の分子機序解明を行った。ヒット化合物による心筋リプログラミング抵抗性改善の分子基盤を明らかにする。これまでの実験で、化合物添加による遺伝子発現をアレイで解析し、変化遺伝子群をGO term解析やPathway解析で評価した。その結果、加齢に伴う心筋リプログラミング抵抗性に新規のシグナル伝達物質が関与することを見出した。さらに同シグナル経路と心筋遺伝子領域のエピジェネティック変化が関連することをATAC-seq解析で見出しており、分子機序を解明した。
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