2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of renal disease onset and progression mechanism using single cell RNA-sequence
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19K22621
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
猪阪 善隆 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00379166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和則 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10631301)
水井 理之 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30423106)
松井 功 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60456986)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | Single cell RNA seq |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シングルセルRNA-sequence (scRNA-seq) 技術およびspatial transcriptomics技術を用いてヒト正常および病気腎における腎構成細胞および腎浸潤免疫・炎症細胞の表現型を明らかにすることを目的としている。また、両実験にて得られたデータからartificial intelligence (AI)を用いて特徴量を抽出することにより腎構成細胞および免疫炎症細胞の位置情報・相互作用を解明して、新たな腎疾患治療法開発に資する学術基盤を構築したいと考えている。scRNA-seqは発展途上の技術であるため、本研究ではまずマウス腎臓を用いて、検討を行った。①野生型マウス、近位尿細管特異的TFEBノックアウトマウスそれぞれにおいて通常食摂取10ヶ月群(12ヶ月齢)、高脂肪食摂取10ヶ月群(12ヶ月齢)の計4群、各n=3(合計12サンプル)のscRNAシーケンシングを行う。scRNA-seqは10xGenomics 社 Chromium システムを用いて1000個の細胞をターゲットにライブラリー調整を行ったのちにシークエンス解析を行い、サンプルあたり約1億のリードを得た。更に、②得られたシークエンスデータを解析しているところである。このようにマウス腎組織細胞の細胞分離方法を確立したため、種々の腎臓病においてscRNA-seqを行う最適な実験条件は整えていると判断している。現在腎臓腫瘍摘出後の正常組織のscRNA-seqを検討することを進めており、正常の腎組織から10xGenomics 社 Chromium システムを用いて1000個の細胞をターゲットにライブラリー調整を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
scRNA-seqは10xGenomics 社 Chromium システムを用いて1000個の細胞をターゲットにライブラリー調整を行ったのちにシークエンス解析を行い、サンプルあたり約1億のリードを得た。更に、②得られたシークエンスデータを解析しているところである。また、マウスを用いた検討により、scRNA-seqを検討するのに問題がないと判断し、現在腎臓腫瘍摘出後の正常組織のscRNA-seqを検討することを進めており、計画通り研究が進捗できていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒト腎組織からSpatial transcriptomics (Science 2016:353;78-82) は基盤上にバーコード付きcapture probeを配置してin situでライブ ラリーを作成し、バーコード情報をもとに発現しているmRNAの組織上の位置情報を得る技術である。scRNA-seqは一細胞レベルの細胞表現型を 同定する非常に強力な方法であるが、細胞の位置情報は失われるという欠点を有している。一方、spatial transcriptomicsの解像度は数十μm 程度であり、一細胞レベルでの解析は難しい。前述のとおり、腎疾患を理解するには細胞の位置情報が非常に重要であるのため、本研究では研 究方法3に示す方法でscRNA-seqとspatial transcriptomicsのデータを統合する。
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