2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K22631
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤原 裕展 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (20615744)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 基底膜 / ライブイメージング / 皮膚 / 発生 / 形態形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子遺伝学を中心とした研究により、基底膜遺伝子が器官発生や生体の恒常性維持に不可欠であることが分かってきた。そのメカニズムは、主に受容体を介する生化学シグナルを軸に説明されてきたが、近年、ECMの物理的性質(ダイナミクスや弾性など)も、機能的に極めて重要であることが示されている。しかし、基底膜ダイナミクスや物理特性を可視化できるツールの開発が進んでおらず、その実態や重要性は未だほとんど不明である。本研究課題では、まず基底膜可視化マウスを作製し、その後、基底膜ダイナミクスを4次元的に観察可能なイメージングシステムを確立することを目的とした。 2020年度までに、マウス生体内のほぼ全ての基底膜の構造と機能に必須の4型コラーゲン遺伝子内にeGFPもしくは光変換蛍光蛋白質をノックインしたマウスの作製に成功した。さらに、その皮膚組織内での基底膜ダイナミクスの観察が可能なライブイメージングシステムも確立した。最終年度に当たる2021年度は、FRAP法などを組合せることで、基底膜の移動、伸長、ターンオーバーが定量解析できる実験基盤を確立した。さらに、細胞核と細胞膜が蛍光標識できるマウスと掛け合わせることで、基底膜動態と細胞挙動の同時リアルタイム可視化と定量解析が可能となった。薬剤を用いて基底膜の動態を阻害すると、皮膚上皮の細胞運命と組織形態が変化することも明らかとなった。本研究により、生組織内での基底膜ライブイメージングの技術基盤が確立された。さらに、基底膜動態が細胞の分化運命や器官形態形成に重要な役割を果たすことを示唆するデータも得た。今後は、本研究成果の論文発表準備を進めるとともに、基底膜イメージングシステムの他の臓器、オルガノイド、疾患などへの水平展開とさらなる発展を図る。
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[Journal Article] Tracing the origin of hair follicle stem cells2021
Author(s)
Morita R, Sanzen N, Sasaki H, Hayashi T, Umeda M, Yoshimura M, Yamamoto T, Shibata T, Abe T, Kiyonari H, Furuta Y, Nikaido I, Fujiwara H
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Journal Title
Nature
Volume: 594
Pages: 547-552
DOI
Peer Reviewed
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