2019 Fiscal Year Research-status Report
Chronology of beta-cell failure with a novel time-resolved reporter system in mice
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19K22642
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮塚 健 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60622363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60343480)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 膵β細胞 / インスリン分泌不全 / spatial heterogeneity / sick beta cells / db/dbマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
全ての糖尿病患者は膵β細胞からのインスリン分泌不全を合併しており、その病態解明は糖尿病の新規治療標的の同定に不可欠である。糖尿病患者の膵島では病期の進行とともに遺伝子発現プロファイルが変化していくことが知られているが、「β細胞がいつ、どこで、どのような時間経過でインスリン分泌不全へと至るのか?」「病んだβ細胞が正常なβ細胞機能を回復することは可能か?」といった根源的な疑問は未解明のままである。そこで本研究では膵β細胞がインスリン分泌不全状態に至る過程を高時間分解能で可視化するレポーターマウスを作製しながら、病んだβ細胞の個性を時間軸に沿って1細胞レベルで明らかにする。 上記目的のためにdb/dbマウス膵島で発現が亢進し、SGLT2阻害薬投与により発現レベルが低下する遺伝子SB1(sick beta 1)を同定した。8週齢のdb/dbマウス膵切片を用いて抗SB1抗体を用いた免疫染色を行った結果、一部のβ細胞にのみSB1が高発現しており、SB1遺伝子発現のspatial heterogeneityが確認された。耐糖能正常の対照マウス膵島内にSB1陽性細胞は認められなかった。 また膵β細胞特異的オートファジー不全モデルマウスの膵β細胞において経時的に発現が亢進する遺伝子Sprr1aを同定し、Sprr1a発現のspatial heterogeneityが確認された。 今後SB1遺伝子を発現して間もないβ細胞のみを標識・単離するための遺伝子改変マウス=sick beta Timer(sβT)マウスを作製する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、db/dbマウス、SGLT2阻害薬投与db/dbマウスおよび野生型マウスの3群間で遺伝子発現レベルが大きく異なる遺伝子群を同定し、その中の1つSB1に対する免疫染色を行い、SB1遺伝子発現のspatial heterogeneityを確認することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記高血糖状態下でSB1遺伝子を発現したばかりのβ細胞を標識するためのsick beta Timer(sβT)マウスを作製する。db/dbマウスとsβTマウスとを交配することによりdb/db;sβTマウスを作製し、SB1遺伝子を発現したばかりのβ細胞を単離する。 単離したSB1発現β細胞よりmRNAを抽出し、bulk RNA sequencingを行う。さらに1細胞レベルでmRNA発現プロファイルを解析するためにsingle-cell RNA sequencingを行い、SB1発現細胞間のtranscriptional heterogeneityを明らかにする。
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