2020 Fiscal Year Research-status Report
新規ナノ粒子ワクチン~口腔細菌由来外膜小胞の形成機構の理解とその活用
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19K22644
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10370959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉福 英信 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (20250186)
平山 悟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70778555)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ワクチンの安全性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
OMVのイメージングに関しては、走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡を用いて、OMVの超微細構造の可視化と表層分子の免疫学的検出を試みた。特に、走査電顕を用いて免疫電験を実施した結果、表層抗原の局在を明示できるプロトコルの最適化が行われた。外来抗原として利用する予定の志賀毒素Stx2Bの抗体を入手し、ウエスタンブロットでの検出が可能となった。OMV経鼻ワクチンの際の、中枢神経系における安全性については、Porphyromonas gingivalisのみならず、Aggregatibacter actinomycetemcomitansのOMVに関して調査した。経鼻ワクチン時の投与量と同量の1マイクログラムのOMVを脳内接種を行って、その体重減少や致命率を検討した。ジフテリア毒素を1、または0.1マイクログラム投与した場合、それぞれ5日目、または6日目までに全てのマウスが死亡した。一方で、PgOMV単独、AaOMV単独、PgOMVとAaOMVの両方を打った場合において、いずれのマウスの体重も15%以上の退場現象は認められず、実験に使用した全てのマウスは少なくとも5日目には体重が未接種と変わらないレベルまで増加し、二週間以上生きながらえた。実際の経鼻投与の際は、その全量が嗅球に蓄積すること考えにくい。以上より、PgとAaのいずれのOMVのマウスにおける中枢神経毒性は認められない、という結果になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外来タンパクの発現系の確立に至っていないが、安全性の検討、ヴェシクルのイメージングのパートで進展があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
OMVの形成機構を理解するためのイメージングをさらに発展させる。 外来性タンパクのOMV表層発現系を確立する。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが、令和3年4月1日以降となったため。 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和2年度分についてはほぼ使用済みである。
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Research Products
(16 results)