2020 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚-肝臓間クロストークによる創傷治癒の制御、糖尿病における制御機構の破綻
Project/Area Number |
19K22649
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 恵美 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10431595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 寛大 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10755664)
館 正弘 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50312004)
高木 尚之 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30569471)
笠松 純 東北大学, 医学系研究科, 講師 (60567345)
佐藤 光 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20832124)
丸山 良子 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (10275498)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | NKT細胞 / 創傷治癒 / 肝臓 / IFN-γ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、神経系・液性因子を介した臓器間クロストーク機構が次々と明らかにされている。 長年、皮膚の創傷(キズ)は、皮膚に存在する線維芽細胞や受傷後、創部に遊走する免疫細胞が治すと考えられてきたが、申請者は「皮膚-肝臓間クロストークによる創傷治癒の制御」を推測し、皮膚創傷治癒への肝臓の関与について明らかにすることを目的としている。 昨年度の解析により、Natural Killer T(NKT細胞)が産生する代表的なサイトカインであるIFN-γの重要性がクローズアップされたため、本年度はIFN-γに注目して解析を実施した。 IFN-γを遺伝子欠損したマウス創傷モデルでは、増殖期以降の治癒が遅延し、筋線維芽細胞マーカーであるα-SMA陽性細胞の低下を認めた。また、創傷部位への好中球の遷延を認め、好中球遊走に働くケモカインであるKC、MIP-2の発現が高かった。細胞外マトリックス(ECM)を分解するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)のうち、MMP-2とMMP-9の発現が高く、主たる産生細胞は好中球であった。IFN-γを遺伝子欠損したマウスに好中球を除去する抗Gr-1抗体を投与し、創傷治癒を解析したところ、抗Gr-1抗体を投与したIFN-γKOマウスでは、治癒の改善、MMP-2の発現低下を認めた。抗Gr-1抗体を投与したIFN-γKOマウスでは、創部への好中球集積が著明に減少し、またMMP-2産生細胞が好中球から線維芽細胞にシフトする傾向がみられた。 以上の結果より、IFN-γは好中球からの過剰なMMP-2産生を抑制し、正常な治癒に必須である可能性が導かれた。
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[Journal Article] Contribution of invariant natural killer T cells to the clearance of Pseudomonas aeruginosa from skin wounds.2021
Author(s)
Hiromasa Tanno, Emi Kanno, Suzuna Sato, Yu Asao, Mizuki Shimono, Shiho Kurosaka, Yukari Oikawa, Shinyo Ishi, Miki Shoji, Ko Sato, Jun Kasamatsu, Tomomitsu Miyasaka, Hideki Yamamoto, Keiko Ishii, Yoshimich Imai, Masahiro Tachi, Kazuyoshi Kawakami
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Journal Title
International Journal of Molecular Sciences
Volume: accepted
Pages: accepted
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