2019 Fiscal Year Research-status Report
円錐切除後妊娠の腟分泌物プロテオーム解析を用いた子宮頸部が担う妊娠維持機構の解明
Project/Area Number |
19K22686
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 英治 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10544950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
最上 晴太 京都大学, 医学研究科, 助教 (40378766)
伊藤 慎二 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50362512)
千草 義継 京都大学, 医学研究科, 助教 (80779158)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 腟分泌物 / 子宮頸部円錐切除 / 回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子宮頸部が頸部熟化や上行性感染を抑制する蛋白を分泌し早産を防止しているという仮説を立て、さらに、子宮頸部の状況をダイレクトに反映すると思われる腟分泌物に着目し、子宮頸部の妊娠維持機構を解明することである。そのため、本年度は、京都大学とその関連病院8施設において、倫理申請の上、妊娠初期および中期の腟分泌物の回収を開始した。加えて関連病院2施設でも倫理申請中である。2020年4月現在までに、子宮頸部円錐切除後の妊娠51例、対象群となり得る子宮頸部手術の既往がない妊娠190例の腟分泌物を回収した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1年目における子宮頸部円錐切除後妊娠の目標登録数は100例であったが、コロナウイルスの影響もあり、目標症例数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度上半期で、引き続き腟分泌物の回収し、目標症例数に達する見込みである。その後、群分けした症例の腟分泌物蛋白をナノ流速液体クロマトグラフ(NanoLC)で 分離した後、四重極-飛行時間型質量分析装置を用い網羅的に同定・定量する。さらに、各群間の腟分泌物蛋白プロファイルを比較解析し、早産となった子宮頸部円錐切除後妊娠で特異的に低下する蛋白質(以下“蛋白Xs”)を抽出する。蛋白Xsを各群間においてELISA法でも定量解析し、他の検体セットを用い妥当性の確認を行う。 摘出子宮標本を用いて、蛋白Xsの局在を免疫組織化学染色法で確認する。 ヒト子宮頸部上皮の初代培養細胞に蛋白Xsの発現を抑制するsiRNAを導入し、頸管熟化・感染に関連する分子(prostaglandin E2, matrix metallopeptidase, antimicrobial peptides)の発現変化を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度に収集したサンプルを次年度まとめて解析依頼に出す予定である。 そのための費用として繰越した。
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