2020 Fiscal Year Research-status Report
Super-early stage diagnosis of the metastatic lymph nodes using the measurement of intra-lymph node pressure and lymphatic drug delivery system
Project/Area Number |
19K22692
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
志賀 清人 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10187338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 克則 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10455842)
及川 伸一 岩手医科大学, 医学部, 助教 (30837696)
小玉 哲也 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40271986)
齋藤 大輔 岩手医科大学, 医学部, 助教 (40722715)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / リンパ節転移 / 内圧測定 / リンパ節穿刺 / 超早期診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はリンパ節の内圧を測定することにより、転移リンパ節の超早期診断が可能かどうかを検討することを目的にする。まず、頭頸部癌患者の根治的リンパ節郭清術中にリンパ節を穿刺し、転移リンパ節と転移のないリンパ節の内圧を比較する。 癌患者のリンパ節への微小転移(micrometastasis)を検出することは臨床的には現在のところ画像診断などいかなる方法でも不可能である。我々は、動物実験で転移リンパ節では転移の早期段階から有意に内部圧の上昇が認められることを明らかにした。このリンパ節の内圧上昇を用いれば臨床例でも超早期の転移診断が可能である。また、同じ動物実験モデルで抗がん剤をリンパ節に直接投与することにより、転移リンパ節の縮小効果が得られることも明らかにした。この際の抗がん剤の投与量は静脈内投与に比べて著しく低用量である。内圧測定によるリンパ節転移診断およびリンパ節に直接抗がん剤を投与するリンパ行性ドラッグデリバリーシステム(LDDS)は、これまで臨床例での報告が無く、臨床例で可能であることが証明されれば画期的な診断・治療法として開発が進むことになり、頭頸部癌患者ばかりではなく、様々な癌に対する診断・治療に応用可能である。 本年度はようやく実験装置である圧トランスジューサ-や増幅装置、測定ソフトが納入されたが、COVID-19の影響で施設への搬入が遅れ、さらに技術者が説明に来れないため、研究者独自で測定装置の組み立て、設定、調整を行っている。キャリブレーションなどがうまく設定できないため、臨床研究の開始が遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の研究費の内定が2019年夏であったため、その後に今回の研究費をもとにした研究計画書を認定倫理委員会に提出し、承認されるまでに時間がかかっている。本研究は頭頸部癌患者に対して術中にリンパ節の内圧測定を行うものであるが、穿刺する方法や穿刺後にトランスジューサーで計測する方法が適応外(初めて用いられる)であるため、特定臨床研究となる。このため、認定倫理委員会での審議、認可が必要であり、提出してから承認されるまで数ヶ月を要した。 また、研究に使用する圧トランスジューサーとソフトは米国のWorld precision instruments社の製品であり、これを注文し、輸入・納品されるまでに半年以上を要した。また、COVID-19の影響で装置を設置し動かせるこの会社の技術者が直接本学に来れないという事情もあるため、現在まで実際に研究機材をハード・ソフトともに稼働できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は倫理委員会で承認され、jRCTでも公開されている。また、実施するための機器(World precision instruments社製)も納入された。今後は実際に臨床症例に用いる前に模擬実験で内圧測定のリハーサルを行い、実際に測定可能な方法と手順を確認する。次に予定通り頭頸部癌患者の同意を得て、臨床研究を推進する。
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Causes of Carryover |
米国World precision instruments社の圧トランスジューサ-機器およびソフト一式が、注文したものの年度内に納入できなかったため、予算額・決算額に誤差が生じた。
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