2020 Fiscal Year Annual Research Report
新骨芽細胞膜チャネルPannexin 3が制御する造血幹細胞ニッチの解明
Project/Area Number |
19K22698
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石河 真幸 東北大学, 大学病院, 助教 (60432936)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 幹細胞 / ギャップジャンクション / 微小環境 / ATP |
Outline of Annual Research Achievements |
Panx3が骨において微少環境を形成し、それが新しい造血幹細胞ニッチである可能性を模索した。8週齢以降のマウスの骨組織においてPanx3は軟骨細胞、骨芽細胞および前骨芽細胞に限局して発現することが明らかになった。また、成獣Panx3 KOマウスの骨髄内で幹細胞を多く含む細胞集団であるLin-, Sca-1+, c-Kit+(LSK)細胞集団が減少していた。また、 Panx3 WTおよびKOマウスから抽出したLSK細胞集団をそれぞれSJLマウスに骨髄移植を行った結果、WTおよびPanx3 KO由来のLSK細胞集団の割合に変化はなかった。しかし、WT由来のLSK細胞をWTまたはPanx3 KOマウスへ骨髄移植した結果、Panx3 KOマウスの骨髄では移植したWT由来のLSK細胞は優位に減少した。このことから骨芽細胞および前骨芽細胞のPanx3が新規の造血幹細胞ニッチを作成し制御していることが示唆された。 膜チャンネルであるPanx3は細胞膜においてATPを放出する機能を持つ。Panx3 KOマウスから抽出した骨芽細胞のATP放出量は減少していた。このATPが幹細胞維持に関与していることが示唆された。Panx3チャンネルがCl-やNa+を放出するという報告があるがあるが今回の研究ではそこを探究していないため、他の小分子が重要な役割を演じていることは否定できない。また、小分子の他に代謝物も透過する可能性があル。代謝物はさまざまな免疫機構や細胞維持に関与しているためにPanx3チャンネルを介した代謝物の検討をメタボローム解析を行なったが、サンプルの条件設定が不完全だったために再検討を要した。この研究は今後の課題として継続したい。
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Research Products
(3 results)