2019 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞新規サブポピュレーションを用いた造血幹細胞増幅培養法の確立
Project/Area Number |
19K22700
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
疋田 温彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60443397)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80372390)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
Keywords | 造血幹細胞 / サブポピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、同種(他人由来)造血幹細胞移植に伴う口腔合併症を低減可能な自家造血幹細胞移植を推進するため、造血幹細胞の維持に関与する間葉系幹細胞の細胞集団を同定し、造血幹細胞の増幅培養法を確立することである。マウスで得られた知見を基に、ヒト造血幹細胞の増幅培養法を確立をめざす。 令和元年度は、マウス骨髄細胞のうち、Linage-, Sca-1+, PDGFRα+で分画される、間葉系幹細胞濃度が高い細胞集団(Pα-S)に対してこれまでに行った、single cell RNA sequencingにおいて同定された、遺伝子発現パターンの異なる複数のサブポピュレーションを、それぞれに特異的に発現上昇している表面抗原を用いてセルソーターにより分取し、それぞれの幹細胞特性解析を行った。また、マウス骨髄間葉系幹細胞と造血幹細胞との共存培養において、細胞播種濃度、2種の細胞数の比率、培地組成、間葉系幹細胞と造血幹細胞の播種のタイミングなどについて検討し、血球系細胞数が効率よく増加するプロトコールの確立を試みた。結果、単独培養では増加しない血球系細胞の増加が見られる培養方法を見出した。さらに、造血幹細胞維持との関連が報告されている、c-Mpl欠損マウス由来細胞において、遺伝子欠損が幹細胞特性に与える影響について検討した。 加えて、東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科で手術を受けた患者から廃棄される骨髄液を、患者同意を取得した上で採取し、細胞を抽出し、培養を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間葉系幹細胞と造血幹細胞の播種のタイミングなどについて検討し、血球系細胞数が効率よく増加するプロトコールの確立を試みた結果、単独培養では増加しない血球系細胞の増加を確認できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
増殖した血球系細胞における造血幹細胞の存在割合を確認し、造血幹細胞の増幅効果を評価するため、最適化した共存培養で得られた細胞を、インビトロアッセイ(CFUアッセイ、Flow cytometry)あるいはマウスへの造血幹細胞移植による血球系細胞を再構成などの手法で確認する。 また、ヒト骨髄間葉系幹細胞を用いたヒト造血幹細胞増幅法の確立に向け、東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科で手術を受けた患者から廃棄される骨髄液を採取し、ヒト間葉系幹細胞とヒト造血幹細胞との共存培養を行い、造血幹細胞数が最も効率よく増加するプロトコールを検討する。
|
Causes of Carryover |
造血幹細胞増殖培養法の確立に向けた検討が当初の想定より順調に進行したため。 次年度の使用計画については、実験動物の購入、維持や、Flow cytometry用抗体の購入などに使用する。
|
Research Products
(2 results)