2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K22701
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 隆夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50218004)
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00420258)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / カルシウムシグナル / 間葉系幹細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨芽細胞および破骨細胞は骨リモデリングにおいて骨形成を行い、歯科矯正治療における歯の移動に対して重要な役割を担っている。骨形成・吸収において、骨芽細胞および破骨細胞の増殖・分化の促進は重要であり、近年、骨形成シグナルとカルシウムとの関連が報告されている。応募者らは2015年に、光遺伝学ツールを用いた、Ca2+シグナルの振幅・周期・持続時間を含むCa2+ oscillationを人為的に操作する技術を世界で初めて開発し、光スイッチ・タンパク質を発現させた培養細胞のCa2+チャネルを青色光の照射により操作できることを報告した。これらを踏まえて、本研究では、光タンパク質を骨芽細胞および破骨細胞に導入し、光刺激によってカルシウムの取り込みを促進し、骨芽細胞ならびに破骨細胞の増殖・分化を促進させること、またその分子細胞レベルでのシグナルの解明を行う。 本年度は、前年度までの骨芽細胞分化のデータを踏まえて、より未分化な状態である間葉系幹細胞の光感受性タンパク質である青色光活性化Ca 2+チャネルスイッチ(Blue light-activated Calcium Channel Switch、略称 BACCS)発現遺伝子による制御の可能性を検証するため、間葉系幹細胞のBACCS安定細胞株を作成し、この細胞が光刺激によって受ける分化への影響を、アルカリフォスファターゼ(ALP)染色により確認し、分化マーカーの発現変化を定量PCR法による解析を行った。また、間葉系幹細胞の破骨細胞への分化を検討するため、間葉系幹細胞からの破骨細胞分化の基礎技術の確立およびBACCSの導入実験を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に計画した間葉系幹細胞からの破骨細胞への分化の基本技術および細胞分化の評価方法の確立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
間葉系幹細胞から破骨細胞への分化誘導における光スイッチ・タンパク質の効果を検証するため、光スイッチに関しては、PI3キナーゼなど様々な細胞内シグナルに関わる分子を用いてその有効性を調べるとともに、その他の酵素機能の制御を試みる。
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Causes of Carryover |
実験手法の確立に時間を要し、計画の遅れが生じたため。
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