2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K22701
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 隆夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50218004)
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (00420258)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / 光遺伝学ツール(光応答タンパク質) / 破骨細胞 / 骨吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、タンパク質工学技術の進展により様々な光遺伝学ツール(光応答タンパク質)が人工的に作られるようになり、光による細胞内シグナルの操作、遺伝子発現や遺伝子組換えの誘導などが可能になってきた。しかしながら、一つの光遺伝学ツールのみで細胞を分化させて特定の機能を持つ成熟細胞を作り出すような研究は、これまでほとんど行われてこなかった状況である。そこで本研究は、光でRANK タンパク質を活性化する人工タンパク質Opto-RANK の開発およびOpto-RANK を用いた破骨細胞の分化誘導を目的として、細胞質で機能するOpto -RANKcおよび細胞膜近傍で機能するOpto-RANKmの2種類のOpto-RANKを作成し、詳細に解析を行った。 Opto-RANKc 遺伝子とTRAF6遺伝子を培養細胞に導入し、光照射を行ったところ、Opto-RANKcタンパク質の多量体形成と同時にさらに多くのT RAF6 タンパク質の多量体形成が認められ、光照射によりRANKが活性化されたことを示された。また、培養中のOpto-RANKc細胞に対して7 日間特定のパルス条件で光照射した後、細胞をTRAP染色をした結果、Opto-RANKc 細胞は赤く染色され、さらに巨大な多核の細胞が観察され、定量PCR解析により、分化破骨細胞に特徴的な遺伝子発現の上昇を確認された。これらの結果から、Opto-RANKc細胞は、光照射により成熟破骨細胞に分化したことが示された。さらに、Opto-RANKc細胞に骨吸収の機能があるかどうかをピットフォーメーションアッセイで調べた結果、O pto RANKc 細胞を光によって分化させた細胞が骨吸収能を持つということ、そして骨吸収を空間特異的にコントロールできることが認められた。
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