2019 Fiscal Year Research-status Report
Crosstalk between oral and systemic responses
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19K22702
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 和宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (60208858)
竹内 康雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60396968)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 歯周病原細菌 / 腸管免疫 / 口腔免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は、糖尿病や心血管疾患などの全身疾患との関連が示唆されているが、口腔細菌による腸内細菌の細菌叢構成バランス異常(ディスバイオーシス)が全身疾患に影響を与えることが疫学研究から示唆されているものの、実験的に証明されていない。本研究では、口腔細菌叢と腸内細菌叢間のクロストーク、さらには細菌叢と口腔・腸管・全身免疫 とのクロストークを解明することを目的として、 (1) 無菌マウスにヒト腸内細菌を定着させたヒトフローラマウス(HFマウス)の口腔細菌叢および口腔免疫系を評価して基盤データを取得すると共に、(2) HFマウスに、歯周フローラにディスバイオーシスが生じている細菌叢あるいは細菌種カクテルを移入し、全身疾患を発症させることで、口腔細菌の腸内細菌叢および免疫系への影響を明らかにすることを目的とする。 歯周フローラ細菌叢解析:健常歯周フローラと重篤歯周病患者の歯周フローラの違いを探索しておく必要があるため、両者のメタ16s rRNA遺伝子解析を実施した。個人における採取する場所の違いよりも、個体別の細菌叢遺伝子の違いの方が大であった。また、健常歯周フローラで16種、重篤歯周病歯周フローラで9つの特徴的な細菌種が認められた。 デキストラン硫酸 (DSS)腸炎モデルの誘導:HFマウスは、 C57/BL6系統で維持されているため、これまで BALB/cマウスで誘導していた腸炎を C57/BL6系統で実施し、至適投与量および病態解析の至適タイムポイントを検討し、腸管免疫応答の解析を実施した。歯周フローラ細菌叢投与を実施する前に、すでに単離同定遺伝子解析されている TDC-P.g菌のシングル種を口腔内投与することによる疾患発症への影響を解析したところ、予想に反して、 P.g菌投与により、腸炎の改善が見られたので、現在追試中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯周フローラ細菌叢の短期培養:多くの研究室では、口腔細菌の単離培養を実施しており、選択培地を用いない歯周フローラ細菌叢の培養の経験がないので、至適培養条件と増殖評価について検討中である。 正常ヒトフローラマウスの維持・管理: 分担者平山氏が樹立した、正常ヒトフローラマウス(Health-HFマウス;無菌マウスに、ディスバイオーシスがみられないヒト腸内細菌叢を移植し定着させたマウス)を研究代表者が所属する施設に移管するべく、施設の整備とルール作りを、実験動物管理施設の協力を得て、進行させてきたが、いくつかの点で問題が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
HFマウスを研究代表者の施設に移転させることには、クリアすべき問題があるので、それが不可能な場合は分担研究者の施設で実施できる様準備を整える予定である。また、歯周フローラの短期培養手法についても、手探りで進行させているが、患者検体を使用する上に、培養手法の安定が得られない場合は、 次年度はTDC-Pg菌で研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
歯周フローラ細菌叢培養系樹立とヒトフローラマウスの研究代表者施設への移転が予定通り進行しなかったために、これらに関連して実施するヒト検体を使用した歯周フローラマイクロバイオーム研究が次年度に回ったため
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Research Products
(3 results)