2020 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ薄膜技術による3D歯根膜複合体の構築と新規細胞間相互作用解析システムの創出
Project/Area Number |
19K22711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 正博 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (10243247)
三木 康史 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (10598395)
明石 満 大阪大学, 生命機能研究科, 特任教授(常勤) (20145460)
山口 佳則 大阪大学, 工学研究科, 招へい教授 (20386634)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 歯根膜組織 / 三次元培養 / Layer-by-Layer法 / 共培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ナノ薄層コーディング技術である交互積層法(Layer-by-Layer;LbL法)を歯科研究領域に取り入れ、歯根膜組織を生体類似の三次元立体組織として構築し、同組織内における細胞間相互作用を時空間で解析する実験モデルを確立することを目的に研究を遂行した。 2020年度はヒト歯根膜細胞(HPDL)、ヒトセメント芽細胞(HCEM)にそれぞれレンチウイルスを用いてGFP、TagBFPを導入し、LbL法を用いて三次元組織を構築し、共焦点レーザー顕微鏡にて観察を行った。その結果、組織構築後、3日後までにHPDL層とHCEM層で境界明瞭な界面を形成した三次元組織を維持し続けることが明らかとなった。 一方で、HPDLとHCEMとの細胞間相互作用に関して蛍光標識した両細胞の単層共培養実験系で解析を行った。すなわち、両細胞を一定の比率で混合し、培養皿に播種し、24時間後にHPDLのみをソーティングし、その遺伝子発現や硬組織形成細胞への分化能について検討を行った。その結果、HCEMと共培養を行う前にはHPDLにほとんど発現が認められなかったibsp遺伝子発現がHCEMとの共培養後に発現することが明らかとなった。なお、トランズウェルを用いた非接触共培養では同発現は認められなかった。またソーティング後に再培養し、石灰化誘導培地を用いて分化誘導したところ、非共培養のHPDLに比べ顕著な石灰化ノジュール形成能を示した。そこで、HPDLとHCEMをLbL法にて重層した三次元組織の界面におけるibsp遺伝子発現をISH法にて検討したが、HPDL層でのibsp遺伝子発現はHCEMとの界面のみならずHCEMとの直接的接着のない部位にも認められた。 以上の結果から、二次元での平面培養とLbL法を用いた三次元組織では細胞間相互作用に違いがあることが示唆された。
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Research Products
(2 results)