2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K22713
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩山 智明 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80757865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 伸也 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70239490)
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
仲野 和彦 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (00379083)
大川 玲奈 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (80437384)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 石灰化過程 / リン酸カルシウム / 骨芽細胞 / 歯根膜細胞 / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ゲノム編集技術を用いて改変した細胞や、患者由来細胞を観察対象として、蛍光ラベリング技術を併用し、超解像顕微鏡観察を行うことで、石灰化の初期過程を、特にオルガネラ相互作用を軸に解明する。本年度は以下の結果を得た。 1.超解像顕微鏡観察に用いる蛍光タンパク質として、mNeonGreenおよびmScarletを選定した。Tild-CRISPR法による骨芽細胞Actb遺伝子への2Aペプチドおよび蛍光タンパク質のノックインを試みた。ドナーベクターのクローニング、Cas9/gRNAとドナーベクターのトランスフェクションを経て、20%程度の細胞が蛍光タンパク質を発現しており、高効率でノックイン細胞が得られた。これらの細胞をシングルセルソーティングによりクローン化した。さらにActbに対するsiRNAにて、蛍光タンパク質の発現が一過性に低下することから、ノックインが機能していることが確認された。さらに同手法を用いて、Lamp1、Sec61、Tomm20の各オルガネラマーカーに蛍光タンパク質をノックインするためのドナーベクターの作製までを完了した。 2.ミトコンドリア-リソソーム相互作用に関わる遺伝子群については、そのコンタクト時間に影響を及ぼすとこれまでに報告のある遺伝子4つについて、CRISPR/Cas9によるノックアウト細胞の作製を行った。うち3遺伝子についてはノックアウト細胞クローンを樹立し、genotypingを行い、ストック済みである。1遺伝子については、2度作製を試みたものの、2度ともに細胞が増殖せず、細胞の生存に必須の遺伝子である可能性が示唆された。 3.同意を得られた先天性骨系統疾患患者より、抜去した乳歯の提供を受け、歯根膜組織より初代培養細胞を樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画通りに、ノックアウト細胞や患者由来細胞の樹立が完了した。さらに、プラスミドベクターを用いた一時的な発現によるオルガネラの標識を計画していたが、安定的なノックイン細胞の作製パイプラインが確立され、実際にノックイン細胞の樹立が達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、上述の作製した細胞を用いて、超解像顕微鏡による石灰化過程の観察を行う。Split蛍光レポーターについては、より高感度なレポーターシステムが発表されており、いくつかのシステムを比較検討する予定としている。
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Causes of Carryover |
購入試薬の納入価格変更により若干の繰越金が発生したが、来年度の試薬代として活用する
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Research Products
(1 results)