2020 Fiscal Year Research-status Report
唾液中の可溶性マーカーに着目したIgG4関連疾患の新たな診断方法の開発
Project/Area Number |
19K22723
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前原 隆 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10637333)
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | IgG4関連疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非侵襲性で繰り返して実施できることも検査の重要な要件であると考え、最も罹患頻度が高いのが唾液腺であること、さらには唾液腺内で産生される可溶性分子は唾液中にも検出可能であることに着目し、唾液中の可溶性マーカーを用いた新たなIgG4-RDの診断法の確立を目指す。 今年度は、IgG4関連疾患の唾液腺組織における疾患特異的分子を網羅的に検索するために、IgG4関連疾患の顎下腺病変(対照群として慢性唾液腺炎(唾石症)および健常者)を用いて DNA マイクロアレイおよび GenomeEnhancer 解析を行った。その結果、IgG4関連疾患では他の疾患と比較して、SPP1(secreted phosphoprotein 1)、CXCL13(C-X-C motif chemokine ligand 13)、MMP9(Matrix Metalloproteinase-9)、CCL18(C-C motif chemokine ligand 18)が疾患特異的に発現亢進(Top 5)を認めた。Enriched GO 解析では「リンパ球活性」、「白血球活性抑制」、「免疫活性」などに関する機能を持つ遺伝子群の変動が認められた。さらに、GenomeEnhancer 解析では、SMAD3(SMAD family member 3)、RELA(RELA proto-oncogene, NF-kB subunit)、ETS1(ETS proto-oncogene 1, transcription factor)が疾患特異的転写因子として抽出された。また、これらの転写因子を加味した pathway 解析では、p/CAF(P300/CBP-associated factor)、PP1-beta(Protein phosphatase 1-beta)、LMW-PTP(Low molecular weight protein tyrosine phosphatase)、MKP-1(Mitogen-activated protein kinase phosphatase 1)が本疾患の病態形成に重要な役割(key master regulators)を果たしていることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で唾液採取が困難となり、現段階では組織を用いた解析を行っている。最終的には唾液を用いた診断方法の開発を目指しているため、唾液採取が可能となれば迅速に採取・解析を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響で唾液採取が困難であるため、今年度は唾液中の可溶性分子の解析ができなかった。今後は唾液でも同様に網羅的解析(プロテオーム解析)を行い、今年度の研究で抽出した分子にも注目して、IgG4関連疾患の新規診断方法の開発に向けて研究を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で唾液採取および解析が進んでおらず、来年度の研究で行うことになったため、次年度に持ち越しとなった。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] IL-1 inducing inflammation by CD163+ M2 macrophages contributes to the fibrosis of IgG4-related disease via TLR7/IRAK4/NFkB signaling.2021
Author(s)
Akira Chinju, Masafumi Moriyama, Noriko Ishiguro, Miho Ohta, Takashi Maehara, Akihiko Tanaka, Mizuki Sakamoto, Haque A.S.M. Rafiul, Keita Mochizuki, Yuko Ono, Ryusuke Munemura, Jun-Nosuke Hayashida, and Seiji Nakamura
Organizer
Oral Bioscience & OBT Research Center Joint International Symposium 2021
-
-
-