2019 Fiscal Year Research-status Report
排泄便を利用した非侵襲性な効果的バイオドシメトリ法の開発
Project/Area Number |
19K22731
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
門前 暁 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (20514136)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 排泄便 / バイオマーカー / バイオドシメトリ / 急性放射線障害 / 有害事象 / 尿 / 糞便 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、尿または糞便といった排泄便に含まれる代謝物に注目し、生物学的放射線被ばく線量評価(バイオドシメトリ)の因子となりうる成分を探索し、その作用機序の詳細までを明らかにすることを目的としている。課題遂行開始の初年度である2019年度は、研究協力者との打合せを行い、それを基に各種専門学会及び放射線治療の共同研究施設にて診療放射線、とりわけ大線量を取扱う放射線治療における患者の被ばく状況といった情報収集ののち、マウスモデルに対する放射線照射条件の検討、及び排泄便のサンプリング方法について検証した。具体的には下記に示す。 ① 放射線関連の国際学会である、国際放射線研究会議(ICRR2019),及び欧州放射線防護研究会(ERPW2019)に参加し、新規の放射線被ばくバイオマーカー研究及びバイオドシメトリ技術研究のセッションにて情報収集をするとともに、各会にて関連研究者と研究課題に関するディスカッションをもった。 ② 放射線被ばくによる急性放射線障害は、よく放射線治療分野で有害事象としてみられることから、課題遂行における共同研究者が所属する放射線治療施設にて、放射線外照射治療を施行する患者に着目し、どのような有害事象がみられるか、がん種別に調査した。また実務医療スタッフと、とりわけ物理線量の設定状況に関する意見交換も行った。 ③ 実験用マウスによって生体被ばくモデルとする際、尿または糞便のサンプリング時にどのようなコンタミネーションが考えられるか、更にはそれらを除外する方法について検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの国際学会において、当初想定していた研究者だけでなく、より多くの海外研究者らと意見交換を実施できたため、課題遂行のための多くの有意義な情報を得ることができ、今後の課題遂行の計画へ参考となった。
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Strategy for Future Research Activity |
決定した放射線照射実験で排泄便をサンプリングし、低分子化合物に着目したメタボローム解析、及び核酸に着目したトランスクリプトームを遂行する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、当初想定していた消耗品を購入する必要がなくなったためであり、また次年度前半初期に進めるトランスクリプトームの試薬使用期限が短いため、実験開始直前に購入することとした。
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