2020 Fiscal Year Research-status Report
健康食品の広告が消費者の健康行動を阻害するリスクに関する研究
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19K22743
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木内 貴弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10260481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥原 剛 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70770030)
石川 ひろの 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40384846)
高山 智子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (20362957)
加藤 美生 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70769984)
上野 治香 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (40740668)
小池 宏子 (岡田宏子) 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30849352)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ヘルスコミュニケーション学 / 医療コミュニケーション学 |
Outline of Annual Research Achievements |
市民・患者が健康食品の広告に接触する機会が増加している。広告は、消費者の購入行動のみならず価値観および生活行動にまで影響を及ぼす。先行研究は、健康食品の広告が理想化された一面的なメッセージを提示し(飲むだけで痩せられる等)、消費者が適正な生活習慣の実行よりも、健康食品を摂取するだけの手軽な問題解決を好む傾向を示唆している。これらの学術的背景をふまえると、健康食品の広告が、「適正な生活習慣の実行の代わりに、健康食品を摂取するだけでよい」という誤った認識を消費者に与え、消費者の適正な生活習慣の実行が阻害されるリスクが懸念される。本研究は、消費者の健康食品の広告への接触が健康行動を阻害するリスクを検討するため、健康食品の広告の内容分析を通じ現状を把握し、健康食品の広告の閲覧が消費者の認知と行動に与える影響を検討することを目的とする。2020年度は、健康食品の広告の内容分析を実施した。具体的には、消費者庁のホームページで公開されている特定保健用食品と機能性表示食品のリストを用いて、「脂肪」への効果を訴求する特定保健用食品と機能性表示食品を特定した。そして、特定保健用食品と機能性表示食品のYouTubeで公開されていた動画広告を収集し、テーマを抽出し、抽出したテーマをカテゴリーに分類した。テーマ抽出とカテゴリー分類を通じ、広告の閲覧者に対する否定的な影響が懸念される広告の内容と、肯定的な影響が考えられる広告の内容を記述した。また、この内容分析について論文を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度で広告の内容分析と現状把握を完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に、広告の閲覧が消費者に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度の内容分析ではデータ収集と分析作業を外部委託せずみずから実施したため費用が発生しなかった。2021年度は内容分析の論文投稿にかかる費用と、広告の閲覧が消費者に与える影響を検討する調査費用が発生する。
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