2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢者ケアにおけるクリエイティビティ評価尺度の開発:組織のマグネティズムの創出
Project/Area Number |
19K22746
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
緒方 泰子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (60361416)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | クリエイティビティ / 高齢者ケア / 職場環境 / 労働力 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者ケアを支える看護職等のケア実践者が、高齢者へのケア実践において発揮している創意・工夫をクリエイティビティ(CR)とし、CRの評価尺度を開発することを目的とした。本研究におけるCRは、「発見する力や発見を価値の創造につなげる力のようなもの」である。 2022年度は、2021年度に引き続きCOVID-19感染拡大の影響を注視しながら、本研究の目的が達成されるよう、国内外における情報収集を行いながら、インタビューや質問紙調査など、CRを確認し評価できる方法について検討を重ねながら、実施が許される範囲でCRを確認・評価していく予定であった。高齢者ケアを支える看護職等による日々の業務に埋もれている創意・工夫を見つけ出すためには、研究者が高齢者ケアの現場に出向いて提供されているケアを観察する必要があるが、COVID-19感染拡大状況から、感染しやすい高齢者のいる施設等に研究者がうかがって観察させていただくことができない状況が続いた。 そこで2022年度は、(1) 別途行った特別養護老人ホーム(特養)2,500施設で働く看護師を対象とした質問紙調査で尋ねたケアに関連した創意・工夫についての自由記載(262人分)を質的に分析・整理した。また、(2)COVID-19パンデミック下の高齢者ケア、特に高齢者と子どもとの交流活動における創意・工夫について、英国の研究者や高齢者ケア実践者との遠隔会議システムを通じた意見交換を継続して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的を達成するには、高齢者ケアが実施されている現場に出向き、看護職等が提供している看護・ケアを観察して、高齢者ケアを支える専門職による日々の業務に埋もれている創意・工夫を見つけ出す必要がある。しかし、COVID-19感染拡大状況から、前年度に続き、感染しやすい高齢者のいる施設等へ研究者が出向いて観察させていただくことができない状況が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の本質的目的を達成できるよう、研究対象施設や対象者を、高齢者ケア施設で働く介護職・看護職等に限定せず、高齢者へケアを提供している訪問看護ステーションの看護職や他の職種等、対象となる組織や専門職の範囲を広げ、調査実施可能性を高める方策を検討する。また、当初の目的は尺度開発であるが、実現可能性との兼ね合いから、尺度を構成する要素の抽出等、尺度開発につながる成果を得るまでの研究遂行も視野にいれる。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き2022年度も、COVID-19感染拡大の影響を受けて研究計画どおりに実施することができなかったため。 COVID-19感染拡大の影響を注視しながら、研究対象施設及び研究対象職種を再検討し、実施が許される範囲でCRを確認・評価できる方法について検討するとともに、尺度の要素の同定等、尺度開発のどの段階までを遂行できるかを視野に入れて研究を進め、本研究の本質的目的の達成を目指す。
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