2020 Fiscal Year Research-status Report
アドバンスケアプランニングのきっかけとして予後予測が役立つか?ランダム化比較試験
Project/Area Number |
19K22760
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木澤 義之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (80289181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | がん / 予後予測 / アドバンス・ケア・プランニング |
Outline of Annual Research Achievements |
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は実施されれば効果があることがわかっているが、問題なのは、「ACPを始めるきっかけがない」ことである。本研究の目的は、医師がACPの話し合いを始めるきっかけとして、客観的指標のみを用いた精度の高い予後予測を提示することが有効かを検証することである。2020年度は、以下の結果が得られた。 1)京都大学データ:京都大学の癌化学療法中のがん患者約5000人の血液検査データを用いて予後30日、60日、90日の予測モデルの精度を再検証した。非治癒に相当すると考えられるstage Ⅳの患者が3692名含まれることが分かり、この患者群において原疾患をマッチングし、予測モデルの精度を検証していく方針となった。 2)筑波大学データ:2013年1月1日~2019年6月30日に筑波大学附属病院に入院したがん患者のがん登録情報、採血データ、ADLなどを取得した。約50000人の入院データが取得できたため、同一患者の複数回入院を整理し、解析対象者の選別を進めていく方針となった。 3)EASED(East-Asian collaborative Study to Elucidate the Dying process)データ:国内の緩和ケア病棟で行った多施設前向き観察研究のデータを用いて予測モデルの精度を再検証した。解析対象者数は、1896名であった。生存期間ごとの予測モデルの精度(AUC)は、予後7日:0.724、予後14日:0.800、予後30日:0.807、予後56日:0.771、予後90日:0.751と高い精度であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施施設において、研究の実施性を検証するためにまず少数での予備的研究を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行によって、患者家族との接触が制限されたこと、家族の面会が難しくなったことから新たな介入研究の実施ならびに患者登録が困難な状況になったため、である。表記については、他研究(EASED研究)のデータを用いて予測モデルの制度の検証を行うことで代替することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、使用する予後予測モデルの再検証を行い、研究計画を立案した。また、予後予測モデルの再検証については、京都大学の癌化学療法中のがん患者、ならびに筑波大学附属病院のがん登録患者において、客観的な指標のみを組み合わせた予後予測モデルの予測精度を再検討するために患者データを取得した。現在解析を実施中である。
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Causes of Carryover |
研究実施施設において、研究の実施性を検証するためにまず少数での予備的研究を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行によって、患者家族との接触が制限されたこと、家族の面会が難しくなったことから新たな介入研究の実施ならびに患者登録が困難な状況になったため、である。表記については、他研究(EASED研究)のデータを用いて予測モデルの制度の検証を行うことで代替することとした。今後感染が収束し次第研究を実施する予定である。
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