2019 Fiscal Year Research-status Report
人工呼吸器の早期離脱に向けた熟練看護師の内在知識と援助に関する研究
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19K22769
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
渡辺 かづみ 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (80347236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 秀伸 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (60329307)
野崎 真奈美 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70276658)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 看護師の状況認識 / 人工呼吸器の離脱 / 視線分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究を進めるにあたり、アイトラッキングカメラを用いる前段階として、どのようなAOI(Area of interest)を設定するかを決定した方が良いことになり、AOIを決定するために、研究倫理審査の承認を得た後に、「看護師は人工呼吸器の離脱において、どのように状況認識しているか」について、熟練看護師と新人看護師を対象にインタビューを行った。当初それぞれ10名合計20名の看護師にインタビューする計画であったが、新型コロナウイルスの影響でインタビューに協力を得にくい状況となってしまい、現在データ収集を中断している。今までインタビューできた熟練看護師4名、新人看護師4名を分析した。人工呼吸器の早期離脱において、新人看護師は呼吸機能に注目する傾向があり、熟練看護師は呼吸機能だけでなく循環動態の変化が呼吸に及ぼす影響まで考慮して人工呼吸器の離脱を考えていることがわかった。Endsleyの状況認識モデルの枠組みでみた場合、熟練看護師の特徴として、<現在の状況の要素の認識>では、呼吸・循環動態に関連する情報以外にも精神状態についても認識していた。<現在の状況の把握>では、身体だけでなく患者の理解力や予備能力まで認識していた。<将来の状況の予測>では、抜管後の呼吸状態の予測だけでなく、抜管後の循環動態の変化の予測まで認識していたことが明らかになった。新人看護師の特徴は、第28回日本人間工学システム大会で発表(2020年3月)し、熟練看護師の特徴はAHFE2020で発表予定(2020年7月)である。今後はこの結果をもとに、シミュレーション状況を設定し、アイトラッキングカメラを用い、意識していることだけでなく、無意識の部分も含めて看護師の人工呼吸器の早期離脱にむけた状況認識を明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象者が看護師であり、新型コロナウイルスの影響で研究協力を得られにくい状況にあるため、データ収集が思うように進まず、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスが落ち着いた段階で、インタビューを再開し対象者数の確保をする。結果を元に視線分析に必要なAOIを設定し、シミュレーション状況を検討する。プレテスト後アイトラッキングカメラを用いて看護師の人工呼吸器の早期離脱に向けた状況認識について明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルスの影響で、看護師を対象としたデータ収集が中断しているために、謝金やインタビューのテープ起こしで使用する人件費が少なくなったことが大きな理由である。新型コロナウイルスが落ち着いた段階でデータ収集を再開し、助成金を使用する予定である。インタビューに加え、アイトラッキングカメラを用いて次なるデータ収集も計画しており、翌年度分と合わせて助成金を使用する予定である。
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