2020 Fiscal Year Annual Research Report
RB活性化能を有するがん予防成分を応用した動脈硬化予防戦略
Project/Area Number |
19K22773
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
友杉 真野 (堀中真野) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80512037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 光治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10305568)
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (20186993)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
Keywords | 予防 / RB / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化を主な原因とする循環器疾患は、近年、日本人にとって「がん」に並ぶ死因となりつつある。RBは細胞の増殖の正常化に寄与している。「がん」と同様に「循環器疾患」も血管細胞の異常増殖に起因することが明らかとされており、RBの再活性化は「循環器疾患」の予防としても有効かもしれない。本研究課題では、研究代表者らがこれまでに見出した「RB活性化成分」の動脈硬化に対する予防効果の可能性について検討する。 2020年度も引き続き、ヒト大動脈血管平滑筋細胞、ヒト大動脈内皮細胞を用い、増殖因子の血小板由来成長因子(PDGF)と血管内皮増殖因子(VEGF)による過剰な細胞増殖に対し、RB活性化成分のおよぼす影響を評価した。これらの刺激によって誘導される細胞増殖に対し、RB活性化成分の有意な抑制能を認めている。さらに、増殖刺激により誘導される炎症性ケモカインのmRNA発現に対し、上記のRB活性化成分が抑制効果を示す結果の再現性が確認された。 血中の単球は血管壁へ侵入しマクロファージに形質転換する。単球からマクロファージへの分化や増殖を刺激する因子であるM-CSFは、血管壁を構成する全ての細胞から分泌される。内膜に遊走してきた血管平滑筋細胞も、M-CSF受容体を発現し、マクロファージ様細胞に分化し、さらに動脈硬化が進展すると考えられている。そこで、ヒト大動脈血管平滑筋細胞にPDGF刺激を加えることでM-CSFの産生が増大する条件を決定した。その条件において、M-CSFの発現誘導が上記のRB活性化成分によって抑制されることを見出した。また、LPS刺激によるマウス由来マクロファージ(J774A.1)の細胞数増加もRB活性化成分によって抑制された。一方で、J774A.1においてLPS刺激によって誘導されるCOX-2やiNOSの発現に対し、今回、検討に用いたRB活性化成分は抑制能を示さなかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] γ-Glutamylcyclotransferase, a novel regulator of HIF-1α expression, triggers aerobic glycolysis2021
Author(s)
Taniguchi K, Kageyama S, Moyama C, Ando S, Ii H, Ashihara E, Horinaka M, Sakai T, Kubota S, Kawauchi A, Nakata S.
-
Journal Title
Cancer Gene Ther
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Histone deacetylase inhibitor OBP-801 and amrubicin synergistically inhibit the growth of squamous cell lung carcinoma by inducing mitochondrial ASK1-dependent apoptosis2020
Author(s)
Chihara Y, Iizumi Y, Horinaka M, Watanabe M, Goi W, Morita M, Nishimoto E, Sowa Y, Yamada T, Takayama K, Sakai T.
-
Journal Title
Int J Oncol
Volume: 56
Pages: 848-856
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Presentation] 新規がん予防標的GGCTは、がん細胞にHIF-1α発現を誘導しワールブルク効果を促進する2021
Author(s)
谷口恵香, 影山進, 茂山千愛美, 安藤翔太, 飯居宏美, 芦原英司, 堀中真野, 酒井敏行, 窪田成寿, 河内明宏, 中田晋
Organizer
第20回分子予防環境医学研究会大会
-
-