2019 Fiscal Year Research-status Report
剖検用光干渉断層法開発によるoptic autopsyの構築
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19K22776
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田中 篤 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50458072)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 光干渉断層法 / 冠動脈 / 急性冠症候群 / プラーク破裂 / コレステロールクリスタル |
Outline of Annual Research Achievements |
剖検用光干渉断層法のプロトタイププローベを作製した。それを用い、20例以上の剖検症例に対し、光干渉断層法を用い、冠動脈プラーク性状の観察を行い、病理所見と比較した。その中でも、これまで生体内で観察が不可能であったコレステロールクリスタルを、光干渉断層法にて検出することに成功した。その感度特異度の検討を行った。病理標本作製のための処理を加えない状態での冠動脈病変の観察が可能なため、これまでの病理学的検討では明らかにし得なかった、冠動脈病変構成要素の病態との関わりが明らかになりつつある。例えば、これまで動脈硬化病変の単なるバイスタンダーと考えられてきた、前述のコレステロールクリスタルが、内腔表面に析出した場合、プラークの線維性被膜の力学的応答ポイントとなり、プラーク破裂を引き起こしていることを見いだした。これらの治験は、Full paperとして公刊した(Feasibility and Clinical Significance of In Vivo Cholesterol Crystal Detection Using Optical Coherence Tomography. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2020 Jan;40(1):220-229)。また、コレステロールクリスタルが、10℃と、21℃前後の特定の温度で析出していることも明らかとなった。 新型コロナ感染症のため、必要な性能の光学部品の供給が滞っているが、再開され次第、より高性能な光干渉断層法プローベを開発する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心外膜側からの光干渉断層法画像と病理画像の対比を行い、良好な感度特異度をえている。 新型コロナ感染症のため、感染予防の観点から、剖検そのものが減少している。
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Strategy for Future Research Activity |
剖検用光干渉断層法のプローベの性能向上を図る。 実際の剖検例での検討を行う。 新型コロナ感染症に関して、抗体キットを購入し、事前にチェックを行う事で、安全性を考慮した剖検を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響のため、光学部品の製作搬入が遅れている。 2021年度に届く予定である。
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Research Products
(1 results)