2019 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病者が安全に行える「指リズム歩行トレーニング」の開発
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19K22784
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潤 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (00304428)
相馬 正之 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (40554994)
中野 英樹 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (60605559)
八谷 瑞紀 西九州大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60610970)
中江 秀幸 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (70550169)
兒玉 隆之 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (80708371)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | パーキンソン病患者 / 指歩行トレーニング / 脳波解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者に多く発症するパーキンソン病の代表的な症状には、すくみ足や小刻み歩行といった歩行障害が挙げられ、転倒リスクを増加させることがわかっている。申請者らは、すくみ足や小刻み歩行が生じるパーキンソン病者が、下肢のみならず手指の運動でも同様にすくみ現象が生じることを臨床現場で経験してきた。さらに、すくみ足や小刻み歩行が改善する聴覚や視覚によるリズム刺激が手指の運動でも改善することを見出した。そこで本研究は、歩行をイメージしながら手指(示指と中指)でリズムを取る「指リズム歩行」を評価・トレーニングに応用することを考えた。 まず昨年度は、パーキンソン病者のすくみ足や小刻み歩行を指リズム歩行で評価できるメカニズムの解明を目指して研究を実施した。自宅生活を行っているパーキンソン病患者40名を対象に、初期調査を実施した。調査項目は、握力、足趾把持力、足趾柔軟性、TUG、歩行分析装置による歩行分析、重心動揺、脳波計測を実施した。対象者の測定値を解析したところ、全身の筋力は比較的保たれているが、足趾把持力や柔軟性は低下し、立位バランスが不良で歩行障害が認められ、パーキンソン病特有の身体障害が生じていた。脳波の解析は現在詳細に行っているが、指歩行と実歩行中の脳波において相関関係が示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳波解析は現在実施中であるが、予定人数よりも多い40名のデータが収集できたことから、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、歩行能力の改善や転倒予防に効果的な指リズム歩行トレーニングの開発を目指す。「パーキンソン病者の歩行能力の改善に関する調査と実践」という研究課題を戦略的に選定し、ランダム化比較試験による多施設共同研究という質の高い研究を実践する計画である。 全国パーキンソン病友の会滋賀県・佐賀県・宮城県各支部のパーキンソン病者250名程度を対象に、それぞれ京都橘大学、西九州大学、東北福祉大学を拠点にベースライン評価(指リズム歩行、歩行能力、立位バランス評価など)を行う。その後、3拠点それぞれ30名ずつの介入群と統制群にランダムに振り分ける(介入群:計90名、統制群:計90名)。指リズム歩行トレーニングの介入は、専用のトレーニングキットを作成し、立位歩行をイメージしながら、回転盤の上を曲(365歩のマーチ:2分57秒×2回)に合わせて、指リズム歩行を1日朝夕2回、12週間実施する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、学会出張等が実施できなくなったため。
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Research Products
(1 results)