2022 Fiscal Year Annual Research Report
学際的アプローチによるポリファーマシー発生機序の探求
Project/Area Number |
19K22790
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30321871)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
Keywords | ポリファーマシー / 高齢者 / 薬物有害事象 / 服薬アドヒアランス / 多剤処方・投薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリファーマシーは高齢者の重要な健康課題であり、高齢社会における健康政策上の重要課題でもある。先行研究の知見から、多剤投薬の発生には医学的要因に加え、患者や処方医の心理・行動科学的要因、医療制度的要因等々、多くの関連要因が報告されていた。 われわれは地域在住高齢者を対象とする長期縦断研究「SONIC研究」で得られたデータを使って、ポリファーマシー(5種類以上の薬物処方)の関連要因を分析したところ、慢性疾患数と飲酒習慣に加えて、性格特性として男性では神経症傾向、女性では外向性傾向が関連していることが明らかにした。 ポリファーマシーの定義は複数あり、単純には「複数種類の処方・投薬」として、ある基準数を超えた場合にポリファーマシーと定義されるが、この基準は定まっていない。更には、投薬数だけではなく投薬内容の質を考慮し、「(ポリファーマシーとは)単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態」(厚生労働省 2018)とする定義も存在する。投薬数が基準より多い場合であっても、疾病管理上すべての薬物が必要不可欠の場合は、減薬それ自体が不適切な過小医療となってしまう。 ポリファーマシーの把握方法は分析者の立場や利用可能な情報の違いによって大きく異なり、このことがポリファーマシー研究を困難としている。薬物把握の情報源には、調査対象者の自己申告、処方歴の記録物(お薬手帳、薬剤情報提供書)、レセプト情報等がある。薬剤数の把握対象として、内用薬以外の外用薬や自己注射薬の取扱い方法は定まっていない。更に把握する薬物種類の単位は、効能別、有効成分別、個々の薬物別とこれも定まっていない。慢性疾患の薬物治療等、継続的に使用する薬物に加え、急性疾患に対する一時的な処方薬物の取扱いについても研究によってさまざまであった。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Association of personality traits with polypharmacy among community-dwelling older adults in Japan: a cross-sectional analysis of data from the SONIC study.2022
Author(s)
Yoshida Y, Ishizaki T, Masui Y, Arai Y, Inagaki H, Ogawa M, Yasumoto S, Iwasa H, Kamide K, Rakugi H, Ikebe K, Gondo Y.
-
Journal Title
BMC Geriatrics
Volume: 22
Pages: 372
DOI
Peer Reviewed / Open Access